5GOALS for 黒部 推進フォーラム
「見える化」しよう くろべのふくし
~米国からの学びと5GOALS for 黒部の挑戦~

  • 開催日時:2020年1月18日(土)10:00~12:15
  • 開催場所:ホテルアクア黒部 2階 【咲耶】
  • 主催:社会福祉法人黒部市社会福祉協議会/第3次黒部市地域福祉活動推進評価委員会
    一般財団法人CSOネットワーク
  • 助成:国際交流基金 日米センター(CGP)
  • 後援:社会福祉法人富山県社会福祉協議会

1. オープニンングトーク

小柴

本日の進行役を務めさせていただきます、黒部市社会福祉協議会の小柴と申します。

長谷川

CSOネットワークの長谷川と申します。よろしくお願いいたします。

小柴

今回はチラシをご覧になってお越しいただいたと思うのですが、皆様のお手元にある「5ゴールズ黒部」という地域福祉活動計画についての話や、その「5ゴールズ黒部」をこれからどうしていくかについてお話させていただきたいと思っています。その前に国際交流基金日米センターについてお話しいただきましょう。

長谷川

今年度、CSOネットワークでは、国際交流基金日米センターから助成を受けて「地域指標を活用した持続可能な地域づくり」という事業を展開しています。黒部には貴重なモデル地域となっていただき、地域の課題から地域全体の計画/目標を作り、その進捗を表す指標づくりに、みなさまに参加していただけたらと思っています。その事業の一環として本日アメリカから二人のゲストをお迎えしました。

小柴

本日出演する皆さんの紹介をさせていただきたいと思います。

長谷川

コミュニティーインディケーターコンソーシアム:CIC(日本語でいうと)地域指標のゆるやかなネットワークの事務局長を務めているシャンタル・スティーブンさんです。シャンタルさんはシアトルからいらしており、娘さんは元マリナーズのイチロー選手の大ファンだそうです。日本に来るのを楽しみにしておられました。今はCICの事務局長ですが、その前にサステナブルシアトルという、地域指標を活用したシアトルの団体で長年経験を積まれました。CICでは、英国、カナダ、オーストラリアなどで地域指標を活用して地域づくりに取り組んでいる団体に情報交換の場の提供等のサポートを15年にわたって行なっています。続いてその隣にいるのがラウル・アルバレスさんです。ラウルさんはテキサス州オースティンからいらっしゃいました。テキサスというとカーボーイというイメージがあるのですが、ラウルさんの弟さんもロデオの選手だそうです。ラウルさんはCICのメンバーであるコミュニティアドバンスネットワーク:CANと呼ばれる団体の事務局長を務めており、地域の色々な活動をしている組織、人と話し合って、地域全体の方向性を定め、その方向性に沿って地域の活動の交通整理・指揮者のようなお仕事をされています。

小柴

米国からのお二人に加えて、アクトコインという新しいアプリを開発し、地域の取り組みの可視化に取り組んでいる佐藤さんにも来ていただいています。

長谷川

ディスカッションパートの聴き手は、CSOネットワーク常務理事の今田克司が務めます。今田は、年に一度CICが開催する情報交換の大会に二度参加し、当会の活動紹介をしてまいりました。

小柴

このメンバーで進めていきます。僕らは計画をいっぱい作るんですが、作って終わりということがほとんどです。CICやCANの取り組みは計画を作るだけでなくて、それをどう動かしていくか、みんなを巻き込んで進めていくという点でアメリカは進んでいます。SDGのような地球全体でみんなで目指すものと黒部のローカルなものがどうつながっているかも考えていきながら話を進めていきたいと思います。2日前に横浜でもフォーラムを行いました。逐次通訳いただく、山本りえさんも来ております。本日は付箋もお配りしますので、質問等ありましたら休憩の後に前のパネルに貼ってください。ディスカッションの際の論点にさせていただきたいと思います。

2. ローカルSDGs「5goals for 黒部」の取り組み
黒部市社会福祉協議会 小柴徳明 氏

最初にみなさんにお聞きしたいのですが、黒部の方手をあげてください。富山県民だけど黒部市外の方手をあげてください。富山県外の方いらっしゃいますか。「5ゴールズ黒部」を知っている方は7割くらいですね。

最初に「5ゴールズ黒部」の話から入っていきたいと思います。「お互いさまの社会の実現に向けて」がこの「5ゴールズ」のビジョンです。黒部市社会福祉協議会では、5年に一度、黒部市地域福祉活動計画を作っていたのですが、「5ゴールズ黒部」はその「黒部市地域福祉活動計画」として作りました。

黒部のまちを悪くしようと思っている人はいないと思います。様々な価値観や多様性がある中で、話し合いながら、みんなで地域の福祉を良くしていくのが社会福祉協議会です。仮説として、気づくきっかけと動くきっかけを作り出せれば、もっとみんな地域に参加したり、福祉が良くなっていくと思っています。

『消滅可能性都市』読まれたことある方も多いと思います。消滅可能性都市のマップが出た時、皆さん自分の地域を見たと思います。可視化されると自分の地域がどうなっているか心配になりますよね。自分がかつて通っていた学校のクラスが半分になったり、高齢化率が30%になったり、(人口減少や高齢化を)なんとなく感じてはいるけれど、わかりやすく見せられると気づきますよね。可視化はみんなが動く動機になると思います。みんな薄々気づいているし、事実をはっきりと見せつけられるとドキドキする。でも、ドキドキした後がない。僕らはみんなの気持ちが動いた後に、繋がる先を作っていく必要があると考えています。黒部の地域の課題を見える化することで黒部の人の心をドキドキさせたいと思っています。黒部のデータは公開されているけれどあまり見られていません。市民の活動や将来のイメージをもっとわかりやすく見える化する。可視化が、調べたりアクションを起こしたりすることにつながっていくと考えています。

もう一つはドキドキしたあと、市民が参加する仕組みを作っていく必要があると考えています。参加したい活動を見つけ、それに参加すると記録が残るような仕組み、これは後ほど佐藤さんが説明するアクトコインでできるんじゃないかと可能性を感じています。自分がどんな社会貢献活動をしたのか、何回活動したのか、質や量が見えるような仕組みを作りたいと考えています。

僕は経営戦略を立てることを仕事としていますが、そこで大切にしているのは10歩先を見るということです。当たり前かもしれませんが、人・もの・金だけじゃなくて時と情報、今どうなっているのか、将来どうなるのか、いつやるのか、来年やるのか、時とか情報の概念で物事を考えて仕事をしています。シンクタンクとして調査研究を充実させ、現状分析やこの先どうなるかを考える事業も進めています。

そんな中で「5ゴールズ黒部」を作る前に考えたことは、地域の人々と一緒にわかりやすいものを作りたいということ。こちらは、みなさんご自宅にあるかもしれませんが、富山県総合計画の冊子、577ページです。富山県の10年間の最上位計画です。この計画書が、インターネットでは6990円で販売されていました。せっかくの計画ですが、なかなか見ない。我が黒部市の総合計画197ページです。綺麗に製本されていますが棚に入れたままほとんど見ることはないです。僕ら(黒部市社会福祉協議会)の計画も54ページ。計画を作って終わってしまうんですね。なかなか見ることはない。もっと見やすくわかりやすくしようと思って、地域の皆さんと話し合いながらシンプルに5つのゴールとしてまとめていったのが「5ゴールズ黒部」です。

これまでの、活動計画を作る過程は「ロの字型会議」を開き承認をもらうスタイルでした。これでは現場の声は聞けないです。今回の活動計画を作るにあたり、このようなワークショップを開きました。小さなグループで20代から80代まで男女半分ずつ、みんなで審議して学びながら計画をつくるようにしました。やりにくい会議です。意見は合わないし、世代、価値観、大事にしていることが違う中で、運営はとても大変です。「ロの字型会議」の方が楽なんです。承認を貰う際にはこのスタイルも必要です。しかし、活動計画を作る場合は、このような多様性に配慮したワークショップ形式の会議をしていく。なんども話し合ってみんなで5つのゴールを決めていきました。中身については、パンフレットを読んでいただけると嬉しいのですが、5つのゴールと3つの重点事業を決めて、地域の課題を解決していこうというものになっています。

これまでの計画では、社会福祉協議会はボランティアを1000人から5年後に1500人に増やしますって書いてあったんです。黒部市社会福祉協議会が主体の計画だったんです。一方、「5ゴールズ黒部」は、黒部市社会福祉協議会の最上位の計画ですので、黒部市社会福祉協議会の活動も5ゴールズに掲げられていることに紐づけられ、同時に、民生委員がやっている事業にも紐づけられ、黒部で福祉の活動している団体みんながこのゴールを目指し取り組んでもらうための計画として位置付けています。

市民の皆さんが地域に参加する機会を増やしていくことも大切だと思います。参加する、お金を寄付することで参加する、応援する、知る学ぶ、心配する、気になる、調べる、も参加になると思います。こういう場面をいっぱい作っていきたいと思います。目標と活動の可視化についてはCICやCANの取り組みを元にどういう風に活動していくかを考えていきます。もう一つはアクトコインという仕組みを使って、参加したい人と参加してほしい人をマッチングしていくか。今、「5ゴールズ」のウェブサイトを作成中です。黒部にどのような活動がどの目標に紐づいて行われているか、どのような団体がありどのように参加できるのかをわかりやすく見えるよう工夫しています。

「5ゴールズ」は持続可能な地域づくりです。黒部が持続可能な地域として発展していく先には、SDGsが目指す持続的な社会、世界があります。しかしSDGsは地域の人には大きすぎる。ローカルゴールを作って黒部の5ゴールズを目指して、ここを目指せばSDGsにもつながっていくことを市民の皆さんにも伝えていければと思います。ぜひウェブサイトを皆さんに見ていただきたいです。こんな風に5ゴールズ黒部が生まれたんだというお話をさせていただきました。ありがとうございました。

続きまして、社会貢献を可視化する取り組みを行なっている佐藤正隆さんにバトンタッチしたいと思います。

3. 社会貢献の可視化「actcoin」の取り組み
ソーシャルアクションカンパニー株式会社 代表取締役 佐藤正隆 氏

みなさんこんにちは。ソーシャルアクションカンパニーの佐藤と申します。私は大阪でITの会社をやっておりまして、5年ほど前からNPOや地域活動のためのITサービスを提供しており、全国450くらいのNPOと取引させていただいております。NPOの課題も少し勉強させていただいております。本日、お手元でアクトコインに登録できる方は今日のこのイベント自体にコインが付与されるように先ほど設定しましたので、一度ご覧いただけたらと思います。

私は黒部市よりも小さい町で生まれました。岡山県の里庄町という人口1万人ちょっとくらいのまちです。高校は笠岡市にあり、笠岡が黒部市と同じくらいかなと思います。現在、大阪と東京で事業をしていますが、田舎で育ちました。

アクトコインってどんなものかというと、先ほども質問がありましたが、ビットコインのように売ったり、買ったりはできないんです。僕自身がビットコインのように、10人のうちの一人が賭けに勝ち9人が負ける世界を作りたくないという気持ちもあります。売ることも買うこともできない社会貢献のコインなんです。全部無料でやっています。

僕たちは、社会貢献活動をしている人たちが可視化されて、価値になる、何かメリットがあり、評価されたりする社会を目指しています。先ほどのお話にあった「黒部を見える化する」を聞いてすごいと思いました。NPOにとっても見える化は鍵なんですね。これからの時代、若い方を巻き込んでいく、根拠となるものを提示していかないといけないですし、参加している人たちを見える化していかなければならないと感じています。

ソーシャルアクターと言われる、社会貢献活動を日常生活としている人でも、活動に関わる時間は人それぞれだと思います。月に1回の方でも日常的にお仕事でやっている方でも、そういう方々を増やしていこう、そのために見える化しようとしています。例えば、ボランティア活動もありますし、社会貢献活動、寄付もそうですし、最近だと(倫理的な)消費活動やフードロス削減などもあります。また通勤の問題として時差出勤などもありますし、家庭でできることもたくさんあると思うんですね。持続可能な社会を目指す人たちに色々なアクションを見える化しようということです。スマートフォンでアクトコインと検索し、アプリをダウンロードしていただき、会員登録していただくと誰でも使えるようになっています。参加したり、情報をシェアしたり、寄付をすることで、自分の社会貢献活動の記録を残すことができます。

私自身の活動記録がこちらにありますが、スコアが出ることによって自分が過去にどんなことをやってきたのかの記録が残るわけです。ちょっとした充実感や満足感も得ることができるわけです。こういったツールをなぜ作ったかというと、見える化していかないとつながっていかないからです。ボランティア活動に参加くださる人に、継続的にこのようなアプリでコインを付与することで、あの人は参加してくれたんだと分かるし、参加した人自身もありがとうの証としてコインをもらって喜びを感じることができます。また、アクトコインは自分自身だけでなく、自分以外の人たちにも自分の履歴が見える仕組みになっています。黒部でアクトコインを実験的に使うとしたら、黒部の活動に参加している人たちみんなが繋がり誰がいつどういう風に参加したのか、一緒に盛り上げていけるツールになると思います。

東京でスタートして1年、参加できるプロジェクトは主に東京と大阪ですが、無料ですので、ここで始めていただき、東京や大阪を訪ねた際に参加することはできます。現在、5000人近くが登録しており、どんどん増えています。コインの残数があるのですが、2029億枚ありまして1200万枚発行しました。2029億枚は、今は価値のないただのポイントみたいなものですが、2030年までに、価値を持つようにしていきたいと思っています。今はどんどん社会活動に参加してコインをもらってほしいんですね。そのコインを使えるように私たちはしていきたい。

仕組みはすごく簡単で、プロジェクトを開催する団体に無料でシステムを提供しているので、アプリに登録された方は、アプリに掲載されているプロジェクトに参加すれば、コインが付与されるようになっています。本日のフォーラムの場合は、1時間あたり1000アクトコインで2時間の参加で2000アクトコインが付与されます。

東京で1年間活動し、色々な福祉等のイベントでボランティアさんにコインを付与してきました。最近は、大学や高校で呼んでいただき、高校生にプロジェクトを作っていただいた例もあります。社会貢献活動への参加のハードルを解消しようとしています。色々な地域で使っていただければ、参加したいけど情報のない人たちがたくさんいるので、スマートフォンが苦手な人もいるかもしれませんが、「5ゴールズ」にも「アンダー40の力を生かそう」という目標がありますから、やはりスマートフォンを使ったツールを有効活用して若者を巻き込んでいくことができたらと考えています。

結果的にインセンティブを付与していくのですが、これに関しては色々な企画を考えておりまして、コインが一定数集まったら商品と交換できたり、町で買い物をする際に割引になったり、そういった企画を各地域でできたらと考えております。東京では大学生中心にやっておりますので、この中の若い方ともぜひオンラインで一緒にお仕事できればと思います。色々な雑誌にも取材を受け、色々なメディアにも載っています。アクトコインで検索していただければと思います。

社会貢献活動を価値に変えることが僕たちのやっていることなのですが、アクトコインってわざとコインという名前をつけたんです。ポイントっていうと今までやっていたものと同じ感じがしてしまうじゃないですか。どこかのショッピングサイトで購入したら、そこで付与されるポイントはそのサイトでしか使えない、何か囲われてしまっている感じですけど、僕らの目的は社会貢献を可視化することなので、区別したくてコインとしました。

色んな人によって活動に託す価値は違うと思います。機能的な価値を感じる人、情緒的な価値を感じる人、自己表現として活動している方、それぞれだと思うのですが、アクトコインに参加することによって地域がよりよくなっていけばと思います。またこの黒部の「見える化」というすごく特徴的で先進的な取り組みを進めるにあたり、個人の活動の見える化のところでアクトコインが活躍できればと思っています。一緒に事例作りをやっていければと思っております。ご静聴ありがとうございました。

小柴

佐藤さんのお話をもっと聞きたい方は、本日終了後にも聞いて頂ければと思います。また、このフォーラムにもアクトコイン付与されるそうなので、ぜひ見ていただければと思います。次はCICのシャンタルさんのお話をお伺いしたいと思います。CICがどのようなことに取り組んでいるかを10分ほどでお話いただきます。

4. 目標・指標の可視化による持続可能な地域づくり
CIC 事務局長 シャンタル・スティーブンス 氏

みなさんおはようございます。本日はこちらに来ることができて嬉しいです。黒部市社協、及びCSOネットワーク始めみなさんに感謝しております。

コミュニティアクションの基礎としてのコミュニティ指標についてお話したいと思います。なぜコミュニティ指標は生活の質、福祉の向上、格差の是正、地域の活性化などの取り組みの中心にあるのでしょうか。指標はデータを使用し、傾向または事実を示し、条件に基づいた何かの状態レベルを示します。例えば時間的、地理的、目標といった条件です。こちらは二つの指標の時間的な推移で、治安の状況を表したグラフですが、状況は悪化しています。

地域指標を使って、変化をフォローしたり、地域のストーリーを伝えたりします。「私たちなしで私たちのことは決めないで」ということです。地域指標の目的は地域の意思決定者に知らせること、地域内の様々な関係者の関与と連携、優先順位の高い分野の変化を支援するということです。一番重要なのは、地域指標が強い地域を築く助けとなるということです。

まず地域のビジョン、ゴールがあってそれぞれのゴールのために指標が設けられます。指標は専門家の意見や、地域の皆さんによって決められます。次に指標の目標値を設定します。目標のための活動も決めます。

この進め方を具体化したのがこちらのフローチャートです。まちを強く持続可能にしていくための取り組みです。まずゴールを設定します。目標の一つは環境について。専門家なども巻き込んでいきます。指標としては、水の質、空気の質、鳥の数です。空気の質はよくなっていますが、水質はそれほど変わっていないです。鳥の数は減っています。そのため、鳥の数をよくするためにアクションを起こします。

また、もう一つの目標の健康な食品を得られる環境については、市と環境グループの間に連携を作ります。そして健康な食品を得るために地域に野菜畑を作るというアクションに繋げました。指標がなければ活動に繋がらなかった例です。その過程には、地域の人たちや関係者、専門家、市のスタッフや幹部の人達が関わり、論理的科学的に説明可能なようにします。そうすることで様々な団体のスタッフも協力するようになります。

この図は、地域指標を使って目標を達成していく段階を表したものです。必要な資源の大きさによってこの円の大きさが表されています。小さな円は資源が少なくて良いもの、大きな円はたくさんの資源が必要なものです。また、色の濃い円は人の関与がより必要になることを表しています。初めに目的を決める、ビジョンやゴールの設定は、円が大きく色も濃くなっていて、多くの人の関与が必要であることを示しています。その次に、指標の判断基準を決め、指標を実際に決めます。指標の選定も大きな円になっています。その次に指標を使った作業が始まりますが、指標を使ってどのような評価プロセスを始めるかは小さな円になります。

計画に基づいて行動するわけですが、アクションという大きな丸は指標を使って色々な活動を起こすことを示しています。アクションが一番大きく濃い円となっているのは、これがまさに住民主体で活動を進めていくための部分で、人の広がりも必要ですし、大きな資源を導入する必要もあるからです。

どうやって指標の情報を意味のあるものにするかが重要です。どのようにしたら指標が、インパクトを与える活動につながるか。これは世帯収入に関する表で、これらがその関連指標です。例えば、リーズナブルな家賃であること。こちらは、あるエリアはうまくいっていて、あるエリアはうまくいっていないことが色でわかる表です。場所によって大きな差のあることがわかります。具体的な話は、あとでラウルさんから詳しくお話しいただきます。世帯収入について、属性によって細分化したデータを見ると、人種やジェンダーによる差が明らかになります。特に黒人女性の世帯収入の低さが顕著です。

参加することが大切です。フェイスブックなどのSNSを使って声をシェアする、インターネットのウェブサイトやアプリを使うこともできます。

なぜコミュニティ指標が他の様々な指標と違うのかについてお話しします。GDPという経済指標だけでなく、その他の色々な指標で国の経済や社会を測ろうという動きがあることをお聞きになったことがあるかもしれません。新聞を見ると色々な数字が私たちの目に入ります。日銀が決めた金利のレート、失業率、様々な指標が使われていますね。GDPや失業率と聞いても、それが自分に影響を与えるものとも、自分がどうにかできるものとも思いませんよね。国の力を示すものかもしれませんが、そこに住む私たち一人一人を物語ってくれるものではありません。コミュニティ指標はまさに私たち住民レベルで作るものです。それ故、指標は私たちにとって意味のある数字として現れるのです。一旦ここで終わって、ディスカッションで皆さんとお話できればと思います。

小柴

今田さん、解説をしてもらえますでしょうか。

今田

黒部のビジョンは「お互い様の社会の実現に向けて」、そのビジョンの下に5ゴールズがあります。指標を作って活用するには、例えば、シャンタルが示したように、環境のゴールであれば、水質や空気の状態、鳥の数を指標として設定できます。そのあと数値目標を決めて進捗管理を行います。進捗管理を行う手段として、市や環境団体とパートナーシップを組んだり、鳥が戻ってくるような行動を起こす。ここが活動の部分になるわけです。何かアクションを起こす場合は、指標と紐付けましょうということです。それによって具体的な目標を立てることができ、進捗管理もできるようになるということです。

黒部もビジョンと目標はできた。今後は具体的な指標作りをして、具体的なアクションが生まれる段階に進むわけです。黒部はここまでやりました。次はこういう段階ですよねということをこの図で示してくれたと考えてもらえればと思います。

長谷川

続きましてラウルさんにコミュニティアドバンスドネットワークを紹介していただきます。シャンタルさんのお話の具体例のお話になるかと思います。

5. パートナーシップで進める地域づくり テキサス州「CAN」の取り組み
CAN事務局長 ラウル・アルバレズ 氏

みなさんおはようございます。コミュニティアドバンスメントネットワーク:CANの事務局長を務めているラウル・アルバレスです。色々なことを学び情報をシェアできることを嬉しく思います。私はアメリカ南部のテキサス州のオースティンから来ました。こちらがメキシコで、とても長い国境を接しています。オースティンは☆印のところです。私はこの辺りで生まれました。私も田舎者です。カウボーイではありません。大きな市に引っ越したからです。こちらは、オースティンで人気のある絵葉書ですが、私たちの州都や町の中心を流れる川が描かれています。こちらはテキサス大学でとても大きな大学です。

私の団体は26のパートナーによって成り立っています。政府機関、非営利団体、福祉などの医療機関や教育機関、商工会議所など、他にもコラボしているところがあります。中に3つの委員会があり、地域の活動に取り組んでいます。シャンタルさんがお話したように私たちも地域指標を使っています。プロジェクトのためにビジョンを作成します。ビジョンの達成に必要な目的が、①安全で公正で人々が関与している②基本的なニーズが満たされている③健康である④可能性を最大限に引き出せる、の4つです。私たちは17の指標を策定し、それらを使ってこれらの目標の進捗状況を測ります。17の指標は多すぎるので3つだけお伝えします。

1つ目は貧困を減らすことです。直近のデータと比べると2017年の貧困率は12%でした。5年前は16%でした。ここから状況はよくなっていることがわかります。この指標の場合、2020年までには10%にするという数値目標があるので、数値目標の達成には至っていないですが、この調子でいけば達成できることが予測されます。「数値目標に向けて」に示されているYはYesを意味しています。貧困は様々な指標に関連しているので他の多くの指標が達成できることになります。ダッシュボードレポートを見ていただくとわかるように、様々な指標が可視化されています。

以前、私たちCANのウェブサイトはあまり使われていませんでした。3年前に再設計し、スマホでも閲覧できるようにしました。それによりウェブサイトの使用率が35%増加しました。

指標による事業創出の例として、幼児の幼稚園への準備状況の指標を見て見ましょう。幼稚園入園前の学業や対人スキル、社会性などを調べることで準備状況を評価します。直近の2018年のデータでは51%を達成していますが、その5年前は53%と状況は悪化している、あるいはそれほど変わっていないことがわかります。2023年までに70%の数値目標を達成したいのですが、この調子では目標に向かっていないと判断できます。こういった分野に私たちがもっとフォーカスして取り組まなければなりません。そこで「Success by six:2000日の旅」という取り組みを開始しました。6歳になるまでに子ども達が入学への準備ができるような総合的な取り組みです。これも3つの委員会によって成り立っています。委員会でプランを作り、計画をアップデートしていきます。たくさんの努力が必要になります。

こちらは、対話による審議の例です。小さなグループに分けて市民を参加させる、いわゆるワークショップみたいな取り組みです。このような場で皆さんからフィードバックや意見をもらい、ゴールの達成に取り組みます。こちらは高校卒業以降のキャリア形成をサポートする組織です。米国では高校卒業後の教育がとても大切です。高校卒業後に大学等に進学することによって良い仕事に就ける可能性が高まります。地域の人たちと、高校卒業後に障害になっていることやキャリアアップの道について議論を重ねました。若者が大学などに進学することによって、将来がより明るくなる。直近の指標では2012年で53%を達成し2008年は50%を達成しているので、改善傾向です。2023年の数値目標(55%)に対して、この調子で取り組んでければ達成できることがわかります。

私たちCANの取り組みの紹介をさせていただきました。どうもありがとうございました。

今田

これについても少しだけ解説いたします。先ほどのシャンタルさんの図式でゴールの下に指標を作るという話があったと思うのですが、ゴールは、黒部の場合は5ゴールズ、CANの場合は4つのゴール。そしてその下に17の指標が作られています。CANの4つのゴールの一つが「自分たちの可能性を最大限生かそう」ですね。そのゴールの指標の一つが「5歳児が学校に入る用意ができている」。児童心理を学んでいる方はご存知の通り、5歳までの環境を整えることによって高校・大学への進学率が伸びるとか、精神的に健康に成長するというような研究に基づいていると考えていただければと思います。

指標をどういう風に作っていくか、2014年に始めた時は53%だったんですね。4年後の2018年に測ってみたら51%。進捗状況「N」というのは「NO」なんですね。2023年のターゲットが70%なので、その数値目標に至るには、このままではよくないよ、これは困ったなと。ゴールを作ったら指標と数値目標を作って、目標値に向けて進捗管理していきましょうというものです。よくなければ何かアクションをしなければならないとなる訳です。まさにこれは自分たちが管理するべきものなので、悪かったらじゃあどうするか、アクションをコミュニティレベルで決めて、何かしないといけない。行動に繋げていくということです。

もう一つの例は、テキサスの高校の卒業生が大学等のテキサス州内の高等教育機関に、高校卒業後1年以内に入学する。こういう指標を一生懸命みんなで考えないといけません。みんなが最大限の可能性を活かせる社会にするのは、目標としては納得がいくのですが、じゃあそれをどのように測るの?ということを考えるということです。CANの場合は、その目標を計る指標というのは4つあって、上記2つ以外は、4年間で高校を卒業する生徒の割合と失業率の4つで計ろうと決めた訳です。オースティンの住民の参加によってこの4つを決めたことが大事で、決めたら数値目標を作って、進捗管理をしましょうという形になっています。

ラウル

指標が17ある中の6割くらいが良い状態で推移しています。残りの4割がうまくいっていないことになるのですが、大事なのはうまくいっていることをお互い認め合うことで、残りの4割がうまくいっていないので頑張ろうと励まし合うことが大切です。

小柴

ありがとうございました。「私を抜きに私のことを決めないで」という言葉がありました。みんなで決めていく。黒部は次に指標を決めていくわけですが、市民の皆さんと話し合いながらやっていくことが大切になります。CANは色々な団体とコラボしていますが、その中のユナイテッドウェイは日本でいう赤い羽根募金、共同募金の本家です。5歳までの子どもの支援を行う活動はユナイテッドウェイト協力して課題解決に取り組んでいます。

残り時間でご登壇いただいた方とディスカッションを行います。一旦ここで休憩にしたいと思います。最後までぜひお聞きいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

6. パネルディスカッション

今田

議論の内容をいただいたコメントから決めていきたいと思うので、今日ここまでの話を聞いて、どう思ったか、お隣の方、目があった方と今日の感想を2人もしくは3人でシェアしてください。

 

活発な議論が見られて素晴らしいと思います。残り30分と時間が限られているので、米国からいらしているお二人への質問を中心に、小柴さんと佐藤さんには最後に一問ずつ投げてみたいと思います。

これだけたくさん質問をいただきました。質問を分けて見ました。このへんが佐藤さん、小柴さん、米国からのお二人へのご質問と感想です。指標についての質問が多かったのですが、行政との連携、役割分担、関係について知りたい、行政の巻き込みは先か後かという質問がありました。

ラウル

CANの場合は、地域行政は最初から関わってくれていて、資金としても半分のお金を出してくれていました。マッチングという言葉がありますが、地域の中で集めたお金の同額を行政が出します。行政関係者が私たちの理事として4人入っています。その人たちは執行委員などかなり中枢でもあります。

シャンタル

具体的にどこの場所とは言えませんが、アメリカ、カナダ、イギリスなどではコミュニティ指標の取り組みに対して、行政が運営委員会に関わっていることが多いです。行政はお金やもの、情報を持っていますが、地域によっては住民と仲が悪いケースもあります。その場合も含めて、地域住民やNPOの主体が保たれるよう、行政との距離を考えることも大事になってきます。

今田

指標について少し聞いてみたいと思います。指標を話し合って決めるには具体的にどうやって進めていけばいいのか、指標の決め方のポイント、管理や評価のポイント、指標の数字は誰がどうやって算出するのかなど、いくつか質問が来ています。

シャンタル

先ほどのスライドをもう一度見たいと思うのですが、左の濃い丸のところのビジョンとゴールを作るステップの次に、指標づくりの基準を決めるステップがあります。この指標づくりの基準は誰が参加して行うかは大事だと思うのですが、同時に、指標を作るにあたり、データは人口統計など既存のデータを使うのか、データがなければ自分たちでデータを集めるのか、そのためにはどのくらいのお金がかかりどのように集めるのかを指標づくりの中で考えていくわけです。

次の実際の指標を決める段階においては、それぞれのゴールによって違ってきます。分野によって活動している人たち、関係者、もちろん地域住民、行政、こういう指標があることを指南してくれる専門家も必要です。大事なのは、指標を決めることが一番左側のビジョンやゴールと分断されていない、繋がっていることを確認することです。幾つの指標が必要かは最後までわからないかもしれませんし、指標の基準を決める際に大体決めておくこともあります。

指標が少ない方が実は難しい。限られた指標によってゴールへの進捗が図れるのかを確認しづらいためです。ただ、指標が多すぎても何のためなのかわかりづらくなります。その後、進捗管理のサイクルに入っていきますが、これは場合によっては1年単位、5年単位だったりするわけですが、そこでちゃんとサイクルを回していくことが大切です。指標を作ったらデータを集めて分析して結果を報告して、きちんと測れていると思ったらもう一度回していくし、ゴールを測るのに適切でないとわかったら改善していきます。そこのサイクルを回していくことが大事になります。

ラウル

オースティンでは、シャンタルのモデルで大体うまくいったのですが、そうではない部分もありました。私たちがこれを実施したのは12年前で、その時シャンタルはまだこれを教えてくれませんでしたので。

最初は100人くらいでワークショップをしました。その時点では4つのゴールは決まっていて、4つのゴールそれぞれに大きなボードを作って、このゴールを測るのにどんな指標が適切だと思いますか、参加型でアイデアを出してもらいました。指標の基準づくりをすっ飛ばして、いきなり指標づくりを行ったわけです。その場では100くらいの指標が集まり、それでは多すぎるので基準づくりのステップに戻ったというわけです。基準づくりでは2つの大きな基準を考えました。一つは最低5年間のデータが蓄積されていて改善の進度がチェックできるようなものでした。もう一つはテキサス州内と全米とで比較可能なものです。その2つの基準をもとに100の指標を30くらいまで絞り、そこから最終的に委員会を作って16の指標に絞り込みました。

今田

指標について実際の計り方はどうでしょう。誰が測るのか。政府が作る指標を使うとデータの信頼性も高ま
るでしょうが、このあたりどうでしょうか。

シャンタル

コミュニティ指標で使われるのは、人口統計等政府統計が多いです。データの細分化が大事なのですが、アメリカの統計はどこの何丁目まで細分化されています。さらに、性別、年齢、人種など、属性でも細分化していきます。そのように、州、市町村レベルのデータを活用して、クロス集計など行うことで色々なことがわかります。

ただし、コミュニティ指標の事業においてコミュニティ指標を特別なものたらしめるのは、既存データのない分野をどうするかにあります。たとえば、人々は幸福度を計りたいと思います。先ほど、野鳥の数や自転車通勤の割合の話が出ましたが、そのようなデータを集めるには住民の人たちがデータを集めなければならない。ボランティアを頼むにはお金もかかります。どのように動員し、誰をどこに配置するのか、そういうことも考えないといけないわけです。

ラウル

私たちも半分は公的な統計データを活用しています。加えて、健康に関するデータについてはパートナーである公的機関から得ています。また、犯罪や教育のデータについては他の公的機関から得ています。私たち自身で集めているデータというのは特にありません。

今田

あと15分ほどなので、一旦佐藤さんと小柴さんにふりましょう。アクトコインの細かい使い方については個別に教えていただけるということですが、ひとり一人の参加意欲を高める仕組みは素晴らしいと思うのですが、その仕組みに対する地域企業や行政からの支援や賛同をどのように引き出していらっしゃるのでしょうか。

佐藤

ご関心をいただきありがとうございます。今後オンラインでも説明の場を作っていきますのでお問い合わせいただければと思います。行政とのつながりについては、黒部市社協さんなどとセクターとの接点を作り実験的に進めていければと思ってます。今日お二人のお話からコミュニティの機能が必要と思いました。今後機能を拡充しながら、地域では20人~100人くらいでもスムーズに使えるようなものを提供し、セクターとも繋がり、各セクターにて導入を進めていただくことを考えております。ぜひ、一緒に実験できればと思います。

今田

ありがとうございます。小柴さん黒部の取り組みについて二つ質問させてください。ご紹介のあったウェブサイトはいつ公開になるのですか。もう一つはU40の世代の力を生かそうということで、具体的な取り組み、特に若者と福祉の関係をどのように考えているか教えてください。

小柴

ウェブサイトは佐藤さんのリタワークスさんと協力して、4月1日にオープンできるように準備います。ぜひご覧ください。U40というのは人生100年時代がもうすぐ到来する際に、50歳よりも下の半分の世代の人たちです。小・中学生だけでなく、30代40代も社会にどんどん参加してもらえるようにしていかないといけない。80歳の人にしたら70歳の世代って若者と思うかもしれない。みんなそれぞれ若者の世代の定義は違うかもしれないけど、今回5GOALS黒部でいう若者は人生100年のうち50歳以下の年代のことを指しています。

お互い様の社会の実現というビジョンを掲げているのですが、個人的に危機感を持っているのが、「お互い様」という言葉がもしかしたらわからなくなると危惧しているんです。僕も全然知らないのですが「結」とか「惣」という一文字の助け合う言葉があったんです。知らない方多いですよね。すでにそういう言葉がなくなっているんです。このままいくと「お互い様」という言葉がなくなる可能性もあります。自己責任や自立など、どんどん個人主義になっていく時代に「お互い様」という感覚がなくなる。僕らはギリギリ体感している世代。そこでU40で一番大事にしたいのは福祉教育です。子ども達の教育の中に、もっと福祉関係者がしっかりと関わって、福祉を教育としてしっかり教え伝えていかないと、助け合いや多少我慢してでも支え合っていく関係は築けないと思っています。このU40の取り組みでは福祉教育、社会教育に力を入れていきたいと考えています。

今田

あと7、8分ですので、シャンタルさんやラウルさんにもう一度質問を投げかけてみたいと思います。どのような市民が計画に参加しているのか、地域の人々の集め方、町内会などをベースにしているのか、それから団体だけでなく、個人で社会貢献活動をしたいと思っている人ともパートナーシップを結ぶことは可能か、というご質問です。

まちづくりへの市民参加となるといつも来る人が同じで、その人たちが市民を代表しているのかと訝りつつも、行政の声かけに応じてその人たちが良いことを言ってくれるのでそのまま進むとなる場合が多いと思うのです。

ラウル

アメリカでは特定の分野で活動しているNPOや活動団体がやってきます。例えば、健康について話す会と教育について話す会では来る人たちが全然違います。オースティンの場合は日本の町内会に当たるような組織がないので、その分野に関心を持っている人が会合に参加する場合が多いです。そのため、平日の夜など人々が来やすい時間にコミュニティダイアログを設定し、地域の安全について考えるなど、普段参加していない人でも参加しやすい枠組みを作るようにしました。一度来てもらい、その人たちに、その後、会議を踏まえた結果を伝えることで、関係性を構築できるようになっています。

シャンタル

出発点として、コミュニティ指標に関わる人たちが、地域について考えているかを意識することが大事になります。地域で区切るのであれば、居住者の属性を踏まえて、多数派が会合に来てもらうよう工夫することが多いです。例えば、そのままだと、女性ばかりが集まってしまう場合、男性と女性が半々になるようにお誘いをすることもあります。20代の人たちの声が聞きたい場合、20代の人たちが集まるような場所に行ってお誘いをする、集まりやすい言葉遣い、雰囲気の会場を選ぶなど、色々な工夫が必要になります。

アメリカでは車の4つのタイヤのうち一つのタイヤがギーギー音を立てると、そこばかり注目してしまうことに喩えた言い回しがあります。そのような人たちは、地域の会合に出て自分たちの意見が通るようしっかり主張する人たちです。そのような人たちへの対策もする必要があって、内容が大事な場合はその会合に参加していない人にもちゃんと伝えるとともに、他の3つの車輪を代表するような人たちの声を聴き出すような工夫も必要で、多くの場合、質の高いファシリテーターが必要になります。

今田

時間になりました。

小柴

黒部の5ゴールズは、この後指標を作っていく段階です。今日お集まりの皆さんと一緒に、参加や対話を重ねて、自分たちで生み出して、自分たちでよくしていく。私たち住民主体のまちづくりの理想的な形がこんな形だと思います。今日お集まりいただいた皆さんには、今後アクションまで持って行って、一緒に何かできる仲間になっていただければと思っております。今日ご登壇いただいたシャンタルさん、ラウルさん、そして佐藤さん、今田さん、みなさんありがとうございました。

記録:CSOネットワーク インターン 松下義人

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