国連、ポスト2015年開発アジェンダへの提言を行う「ハイレベルパネル」メンバーを発表

08.27


【2012年7月31日 ニューヨーク(米国)発】潘基文国連事務総長は、ミレニアム開発目標(Millenium Development Goals=MDGs)が期限を迎える2015年以降の国際開発のあり方に関する提言を行うハイレベルパネル(High-level Panel)のメンバーを発表した。

2012年9月の国連通常総会時に第一回会合の開催が予定されており、この会合を皮切りに、2013年の上半期中までに、今後の国際開発の方向性を示した提言を事務総長に提出することが求められている。

「ポスト2015年の開発アジェンダとして、貧困との闘いと持続可能な開発が中心に据えられ、すべての国々の共同責任に基づいた提言がなされることを期待している」。潘氏はこのように語った。

このハイレベルパネルの設置は、国連加盟国がMDGs達成に向けた進捗を評価した2010年のMDGsサミットを経て潘基文事務総長に委任された、ポスト2015年の開発アジェンダを検討するプロセスの一環である。加盟国は2015年以降の開発アジェンダをよりよいものとするために、国連及び国際機関における議論に加えて、世界中の市民社会、民間セクター、学術関係者および調査機関を巻き込んだオープンかつ包括的な議論を呼びかけている。

また、同パネルの運営にあたっては、ブラジルのリオデジャネイロで開催されたリオ+20として知られる国連持続可能な開発会議において合意された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)」の設計を担う政府間グループとの念入りな調整がなされる予定である。

「SDGsとポスト2015年開発目標の策定プロセスに一貫性を持たせることによってのみ、持続可能な開発を核とする一つの共通した国際的開発枠組みを、加盟各国が形づくれるだろう」潘氏はこのように語った。

総勢23人のメンバー一覧は下記の通り。ユドヨノ・インドネシア大統領、ジョンソン=サーリーフ・リベリア大統領、およびキャメロン英首相が共同議長を務める。

なお、日本からは菅前内閣総理大臣がメンバーに選出された。

●ハイレベル委員会メンバー一覧(日本語出典: 外務省)
<共同議長:3名>
・ユドヨノ・インドネシア大統領
・ジョンソン=サーリーフ・リベリア大統領
・キャメロン英首相

<その他メンバー>
・アムスガ・ベナン大統領府経済分析部長
・コルレア・ブラジル応用経済研究所総裁
・ワン中国元外交部副部長(国連事務総長のMDGアドボカシーグループメンバー)
・ホルギン・コロンビア外務大臣
・アロンソ・キューバ環境庁長官
・セヴェリノ・フランス開発庁前総裁
・ケーラー独元大統領
・菅前内閣総理大臣
・ラニア・ヨルダン王妃
・メイナ・ケニア製造業者協会会長
・バネルジェMIT教授(インド)
・ピエバルクス欧州委員(開発担当)(ラトビア)
・エスピノサ・メキシコ外務大臣
・ポルマン・ユニリーバCEO(オランダ)
・オコンジョ=イウェアラ・ナイジェリア財務大臣
・ナビウリナ・ロシア大統領経済顧問
・マシェル・「エルダース」メンバー(南アフリカ、マンデラ元大統領夫人、元モザンビーク教育大臣)
・キム韓国外交通商部長官
・カールソン・スウェーデン国際開発協力担当大臣
・ピレス東ティモール財務大臣
・トプバス・イスタンブール市長(トルコ)
・ポデスタ米国進歩センター所長(クリントン元米大統領首席補佐官、オバマ政権移行チーム共同議長)
・カルマン女史(イエメン、人権活動家、ジャーナリスト、政治家、2011 年ノーベル平和賞受賞)

<国連>
・モハメッド・ポスト2015 年開発計画事務総長特別顧問

出典:UN News Center
原題:Ban names high-level panel to map out 'bold' vision for future global development efforts
URL:http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=42597&Cr=mdgs&Cr1=

出典:外務省
原題:ポスト2015年開発目標に関するハイレベルパネルへの菅前内閣総理大臣の参加
URL:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/8/0801_02.html

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