CSRシンポジウム「CSRとCSVに関する原則」のめざすもの ご報告

05.29


CSRシンポジウム「CSRとCSVに関する原則」のめざすもの
― CSVはCSR課題を解決できるか

2014年5月21日(水)14:00-17:00
会場:九段センタービル 地下LB2階 A会議室

5月21日、一般財団法人CSOネットワークは、一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(以下、ヒューライツ大阪)と、CSRシンポジウム「『CSRとCSVに関する原則』のめざすもの― CSVはCSR課題を解決できるか」を開催しました。企業、NPO/NGOの関係者など76名の方々にご参加いただきました。

主催:一般財団法人CSOネットワーク、一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)

シンポジウム開催概要

シンポジウムは一般財団法人CSOネットワーク代表理事 今田克司の挨拶で開会しました。
はじめに基調講演として、ヒューライツ大阪所長の白石理氏から「CSR課題としての人権課題―ビジネスと人権に関する指導原則から考える」と題するお話しをいただきました。

基調講演 白石氏

基調講演 白石氏

次に、株式会社ニッセイ基礎研究所上席研究員の川村雅彦氏が「CSRとCSVの位置関係」と題して問題提起を行いました。

問題提起 川村氏

問題提起 川村氏

パネルディスカッション

パネルディスカッション

続くパネルディスカッションは、「『CSRとCSVに関する原則』とステークホルダーの視点」というテーマのもと、4名のパネリストを迎えて行われました。モデレーターはCSOネットワーク理事・事務局長の黒田かをりが務めました。

冒頭、ヒューライツ大阪嘱託研究員の松岡秀紀氏が「CSRとCSVに関する原則」の説明を行い、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授らが提唱する「CSV(共有価値の創造)」はCSRの代替とはならないこと、CSVも事業活動の一つであり、他の事業と同様に、それ自体のプロセスとプロダクトにCSRが問われること、などを強調しました。

次に、LRQAジャパン経営企画・マーケティンググループ統括部長の冨田秀実氏が企業の目線から、特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン事務局長の米良彰子氏がNGOの視点から、企業行動研究センター所長の菱山隆二氏が経営の視点から、それぞれCSRとCSVについて考察、コメントを加えました。ヒューライツ大阪の松岡氏は人権の視点からコメントを行いました。

その後、モデレーターの黒田が、ステークホルダー・エンゲージメントや「社会的価値」の検証と評価について、NGOの役割や企業との関係性についてパネリストに意見を求めました。さらにサプライチェーンの人権・労働問題に企業はどう対応すべきかについても議論が行われました。

フロアからは、政府が果たす役割やNGOが果たす役割の具体例について、また社会的価値の評価ついて質問があり、パネリストが意見を述べました。シンポジウムの最後には川村氏と白石氏から統括コメントをいただきました。

参加者アンケートでは、「CSRとCSVの位置関係が整理できた」、「人権問題の根幹について示唆をいただいた」、「企業のあるべき姿がクリアになった」「様々な視点からの発表は勉強になった」、「社会的価値について考える機会となった」、「フロアとのやりとりにもっと時間をとってほしかった」、「もう少し深い議論ができればよかった」などたくさんのご意見をいただきました。

 

関連記事

ページ上部へ戻る