12.6公開フォーラム「ビジネスと人権における日本の責任と課題」報告
日本の市民社会プラットフォームが初となる公開イベントを開催
2017年12月6日(水)、公開フォーラム「ビジネスと人権における日本の責任と課題~国別行動計画(NAP)策定に向けて~」が聖心ブリット記念ホール(東京・広尾)にて開催されました(主催:ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム、共催:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)、聖心女子大学グローバル共生研究所)。イベントには、NGO/NPO、政府関係者、企業・ビジネス界、大学研究者等約100名の幅広い参加がありました。弊財団は、上記プラットフォーム事務局として、この会合開催のために協力しました。
第1部は、弊財団黒田事務局長モデレートのもと、11月27-29日にジュネーブで開催された第6回国連ビジネスと人権フォーラムに参加した関係者からの報告・コメントがなされ、今回のテーマであった救済メカニズムについて報告等がありました。
第2部においては、国別行動計画(NAP)の策定を誓約した日本政府に期待することを各方面の専門家が提起し、議論を深めました。高橋大祐弁護士からは、日弁連は「NAPに含めるべき優先事項に関する意見書」を7月に発表し、サプライチェーンにおける人権尊重を推進するための様々なツールをNAPに含めるべき旨提案したこと等の報告がありました。
市民社会からは、特に企業のサプライチェーンに関する人権関連の規制を法制化し、透明性向上や児童労働等の課題に対処する必要性や、外国人技能実習生制度の問題などが指摘されました。企業関係者からは、中小企業においてどのようにこの取り組みを推進するか、東京2020オリンピック・パラリンピックを見据えた国内の意識・関心の喚起の必要性も指摘されました。
ビジネスと人権に関する国別行動計画を担当する外務省人権人道課の杉浦正俊課長は最後に登壇・コメントし、「世界の関心は高い。今日も幅広い方々より、政府に多くの期待をいただいたが、簡単ではない。優先度を決めていくが、現状把握のための整理をしている段階であり、建設的で現実的なパートナーとしてのご意見を歓迎したい」と締め括りました。
CSOネットワークは市民社会プラットフォームにおける活動を中心に、今後もマルチステークホルダーの参画によるNAP策定に向けて活動を行なっていきます。
以上
参考リンク
ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム
https://www.bhr-nap-cspf.org/event-report2/
*配布資料をご希望の方は、幣財団事務局までお問い合わせください。