3月20日(月)に千葉大学・オンラインで開催された日本社会関係学会 第3回研究大会にて、パネルセッション「人権を尊重し労働者を保護する持続可能な公共調達を考える~国際的潮流と国内外の事例を踏まえて~」を実施しました。
本セッションでは、持続可能な公共調達に関し、様々な立場でその推進に取り組んでいる方々を迎え、日本の公共調達において「持続可能な公共調達」を実現するために日本の公共調達の法制度や運営体制の問題点の共有や、国内外の事例から学べること、実現に必要な法制度や運営体制、社会の意識などについてディスカッションを行いました。
セッション冒頭で、CSOネットワーク事務局長・理事の長谷川より、持続可能な公共調達や、人権を尊重し、労働者を保護することの必要性の背景について解説を行いました。
発表:「日本の公共調達の現状と課題」立教大学 コミュニティ福祉学部 コミュニティ政策学科 学科長 教授 原田晃樹氏
原田氏からは、日本の公共調達の近年の変容と現状、海外の公共調達の現状の動向、日本の公共調達の課題についてお話しをいただきました。
発表:「日本の公共調達への4つの提言とステークホルダーの意見」CSOネットワーク代表理事 古谷由紀子
古谷からは、CSOネットワークがILO駐日事務所との協働プロジェクトにより、2022年12月に公表した「持続可能な公共調達推進に関する第一次提言~バリューチェーンにおける責任ある企業行動・労働慣行の促進に向けて〜」に関する4つの提言について説明し、同提言に関してのステークホルダーからの意見を紹介しました。
発表:「人権を尊重し労働者を保護する持続可能な公共調達を考える―弁護士の視点から」弁護士 高橋大祐氏
高橋氏からは、「ビジネスと人権に関する指導原則」における公共調達の位置づけや、大阪万博・東京五輪の調達コードなど「ビジネスと人権に関する指導原則」に関わる最近の動きについてご紹介いただくとともに、自治体が持続可能な公共調達を進めるためのポイントについてお話しをいただきました。
ご発表に続き、実施したパネルセッション・質疑応答では、参加者からの市民の巻き込み方に関する質問や、これから乗り越えていかなければならないハードルやポイントについて活発なディスカッションが行われました。
引き続きCSOネットワークでは、様々な方々と連携しながら、持続可能な公共調達の推進に向けた取組みを進めていきたいと考えています。
「持続可能な公共調達推進に関する第一次提言 ~バリューチェーンにおける責任ある企業行動・労働慣行の促進に向けて〜」
こちらのページで第一次提言全文を公開しています。
CSOネットワークの「持続可能な公共調達」推進に関する取り組みについて
こちらのページでこれまでの取り組みについてご紹介しています。