ごあいさつ

市民社会の視点とネットワークを活かして個人尊重の社会の実現へ

「中期行動計画2023」の2年目が始まり、CSOネットワークでは、市民社会視点から変革を起こすために、4つの柱である「責任あるビジネスの促進・支援」、「持続可能な地域づくり」、「市民社会の強化」、「プログラム評価の実践と普及」に沿って取組みを進めている。

まず昨年からの大きな取組みの一つとしては、持続可能な公共調達(SPP)についての政府への提言が挙げられるだろう。CSOネットワークでは、従来から持続可能な公共調達(SPP)の調査・提言に力を入れてきたが、これをさらに発展させるものとして、人権尊重を組み込んだSPPの実現のために、2022年12月、政府に対して「持続可能な公共調達に関する第一次提言~バリューチェーンにおける責任ある企業行動・労働慣行の促進に向けて~」を中谷元・首相補佐官(国際人権問題担当)に手交した。また、2023年7月には、調査を継続しながら、関係者・有識者とのダイアログを行い、第二次提言を公表した。さらには、この提言の普及・促進とともに、人権尊重を組み込んだSPPの実現に向かって、パンフレットの作成、学会発表、シンポジウム開催などに取組んでいる。まだまだゴールは遠いが、引き続き取組む考えである。

また、CSOネットワークでは、人権のみならず、社会のサステナビリティに向けて問題となるさまざまな課題について、市民社会の視点を重視し、CSOネットワークらしさである調査をもとに、実効性のある対話や評価を進め、具体的な問題解決につながる取組みを実行していきたいと考えている。

昨年度は、「今年度は、『市民社会を強化』の視点で昨年度までの事業・活動をさらに具体化・発展させ、さらには従来からのCSOネットワークらしさとしての「目利き」となる新たなチャレンジも行っていく組織でありたいと考えている。」と挨拶させていただいたが、今年度も同様に、スタッフ一同少しでも前に進めていく所存である。CSOネットワークを取り巻く、これまでにご縁のあった方々、またさまざまなお立場の皆様に「一人一人の尊厳が保障される公正で持続可能な社会の実現」のための連携をお願いしたい。

代表理事 古谷由紀子

2023年8月25日

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