社会的インパクト評価

CSOネットワークでは、中期ビジョンに基づき国内の社会課題解決を促進するために、2017年度より「評価/社会的インパクト・マネジメントに関する事業」を行なってきました。 2017年度からの2年間は、日本財団の助成金を活用して、全国で評価人材を育成する「伴走評価エキスパート育成事業」を実施しました。米国の発展的評価(Developmental Evaluation)を取り入れながら、全国で評価人材を育成して、事例構築や教材作成、情報発信などを行なってきました。 2018年度からは、上記の動きに加えてCSOネットワーク内に社会的インパクト・マネジメントを推進するための実験機関である「インパクト・マネジメント・ラボ」を立ち上げて、評価/社会的インパクト・マネジメントの実践や研修事業などを推進してきました。

CSOネットワークの評価部門の発展

CSOネットワークの評価事業をもとに、2020年度より一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ と、株式会社ブルー・マーブル・ジャパン という2法人が誕生しました。 一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボは、社会課題の解決を促進するために、社会的インパクト・マネジメントをより体系化・発展させて社会に実装させるべく、様々な個人が参画して実験と実践に取り組んでいます。社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)のアクセラレーター役も担っています。(共同代表:千葉直紀、大沢望、鎌倉幸子)

株式会社ブルー・マーブル・ジャパンは、持続可能な社会を作るためにグローバルな動きにも参画しながら、発展的評価や複雑系理論・システム思考等を駆使して、複雑な問題に取り組み、より本質的な課題解決を志向します。(代表取締役:今田克司、千葉直紀)

事業内容と実績

CSOネットワークの評価部門では、これまで「評価人材の育成」、「事例蓄積と共有」、「教材制作」の3本柱の実践を進めてきました。尚、この3本柱は、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)のロードマップの達成に向けたアクションとも関連する内容です。以下に、それぞれの事業内容と3年間の実績を示します。

1.評価人材の育成

CSOネットワークの評価部門では、これまで「評価人材の育成」、「事例蓄積と共有」、「教材制作」の3本柱の実践を進めてきました。尚、この3本柱は、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)のロードマップの達成に向けたアクションとも関連する内容です。以下に、それぞれの事業内容と3年間の実績を示します。

(1)伴走評価エキスパート育成プログラム(日本財団助成事業) 2017-18年度の2年間、全国の中間支援組織の職員や伴走支援者・独立コンサルタント・評価者など32名に対して、発展的評価(Developmental Evaluation)※という伴走支援を基本にした評価のアプローチを学ぶ『伴走評価エキスパート』人材育成プログラムを実施しました。元全米評価学会会長で発展的評価の生みの親であるマイケル・クィン・パットン氏が本研修の統括アドバイザーを務めて、ニュージーランドの発展的評価実践者であるケイト・マッケグ氏(Kinnect Group、The Knowledge Institute Ltdディレクター、ニュージーランド評価学会 元副会長)、源由理子氏(明治大学 公共政策大学院 ガバナンス研究科 教授/明治大学プログラム評価研究所・代表)らが指南役として参画しました。

※発展的評価とは、社会的イノベーションなど、目的が固定されているというよりも目的自体が変化し、時間軸も予め設定されているというよりも流動的で前進的な対象を評価するための方法。そして、そこから得ようとするのは、外部への説明責任というよりも、イノベーションや変化から学習することにある。

▼DE実践者インタビュー「DE人物万華鏡」▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) 評価をもっと身近に感じてもらうために、評価者の考えや価値観を知ることができるインタビュー集です。 https://www.csonj.org/interview

▼DE実践者インタビュー「DE人物万華鏡」▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) 評価をもっと身近に感じてもらうために、評価者の考えや価値観を知ることができるインタビュー集です。 https://www.csonj.org/interview

参考:『伴走評価エキスパート』育成プログラム(2018年度)▼ https://www.csonj.org/activity2/human-resource/expert-participants-2018

(2)社会的インパクト・マネジメント研修(基礎コース) 2018年度から、社会的インパクト・マネジメント・ガイドライン(発行元:SIMI)に基づいた)社会的インパクト・マネジメント研修(基礎コース)を実施しています。事業の各ステージ、特にその第1ステージである「計画」段階において事業者が実施するべきプロセスを紹介し、より効果的な事業運営・展開について理解を深めていくための研修です。現場で活用できるツールやフレームを学ぶことで、団体の本部・スタッフだけでなく、事業の対象者やステークホルダー、そして資金提供者とも円滑にコミュニケーションを図り、共にインパクトを創出できるようになることを目的としています。これまで全国のNPO・企業・行政などの関係者100名以上が受講・修了しています。

▼社会的インパクト・マネジメント研修(インパクト・マネジメント・ラボ)▼ https://impact-management-lab.org/service/human-resources/

2.事例の蓄積と共有

「伴走評価エキスパート」による支援事例を蓄積し、公開することで、NPO事業者や評価関係者などの認知度を高め、また実勢の際に本事例を参照することで、事業および評価推進に活用できるようにすることを目的として、事例蓄積・共有を進めてきました。

▼DEの事例紹介(インパクト・マネジメント・ラボ)▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) https://impact-management-lab.org/docs/a10/

3.教材制作

「発展的評価」について、その概念、基本的考え方、応用のノウハウなどが日本国内で共有されるよう「発展的評価」に関する日本語教材の制作をおこない、NPO事業者や評価関係者などのステークホルダーが参照できるようにすることを目的として、各種の教材制作を進めてきました。

▼DE(発展的評価)引き出し集▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) 「発展的評価(DE)」の知見やノウハウをまとめた資料集です。あなたが関心のあるテーマ、実践を行うのに困っているテーマについて、‟引き出し“を開けるように自由に開いてご活用ください。 https://impact-management-lab.org/service/docs-practice/

▼発展的評価 理解のためのはじめの一歩▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) https://www.slideshare.net/CSONetworkJapan/ss-82079836

▼DEやってみよう!_ver1.5(Prezi、日本語)▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) http://prezi.com/my8gkimhpcch/?utm_campaign=share&utm_medium=copy

▼Practicing_DE(Prezi、English)▼(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより) http://prezi.com/eqbamsx8h-77/?utm_campaign=share&utm_medium=copy

その他

本事業に関連するWEBサイト・URLを掲載します。

(1)社会インパクト・マネジメント・イニシアチブ (SIMI)

CSOネットワークとして、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(Social Impact Management Initiative:SIMI)の事務局を務めています。SIMIは、社会的インパクト・マネジメントを推進する国内のマルチステークホルダーのプラットフォームです。 SIMI 社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ

(2)一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JANPIA)評価アドバイザー

2018年1月1日に休眠預金等活用法が全面施行されたことに伴い、JANPIAが内閣府より休眠預金等活用の指定活用団体に指定されました。CSOネットワークとして、2018年2月より、JANPIAの社会的インパクト評価の構築を進めるために評価アドバイザーとして参画しています。 https://www.janpia.or.jp/

(3)企業の社会性の評価・認証に関する調査(内閣府、GSG)

社会課題先進国である我が国で、事業性と社会性を両立させつつ、民間の力で課題解決を図る社会的事業の存在が注目されており、自ら社会的投資を呼び込み、組織や事業を成長させていくことが出来る主体の育成が求められています。CSOネットワークとして、2019年度より内閣府(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部、日本ファンドレイジング協会からの再委託事業)、GSG国内諮問員会 (ソーシャル・エクイティファイナンス分科会)のリサーチ・チームとして参画しています。 令和元年度 社会性評価・認証制度に係る調査・実証事業 調査報告書

加えて、上記に近いテーマとして、常務理事の今田が一般財団法人 企業活力研究所「令和元年度 CSR研究会」の委員を務め、報告書「SDGs達成へ向けた企業が創出する『社会の価値』への期待」が公開されました。 https://www.bpfj.jp/report/csr_r01/

(4)その他

「発展的評価」や「評価に関する新潮流」の情報として、以下のような調査報告書や研究論文を出しています。 評価の国際的潮流と市民社会組織の役割

NPOの事業評価に関わる海外の動向調査

また、発展的評価に関しては、スタッフおよび受講生でブログでも情報発信してきました(『伴走評価エキスパート』育成プログラムより)。 http://blog.canpan.info/csonj/

活動内容

ページ上部へ戻る