2014年度の取り組み
2013年度に設立した、研究者、農家、環境の専門家等からなる「地域の力フォーラム」を中心に、地域の自己診断ツールの作成に向けて、研究会、国内外の視察を行いました。
1.持続可能な地域づくり訪問調査
有機農業や環境保全型農業をベースとして持続可能な地域づくりに取り組んでいる地域・組織を訪れ、交流を通じて、これまでの経緯や事業、運営についてお話をうかがいました。また、地域の力の理論化、地域診断ツールの作成に向けて、幸福度指標の作成を行っている公益財団法人 荒川区自治総合研究所を訪問しました。
公益財団法人 荒川区自治総合研究所(RILAC)訪問
行政施策に生かすべく、地域の幸福度に関する指標を作成し、その指標に基づくアンケートを行っている荒川区自治総合研究所(RILAC)訪問し、理事・所長の二神恭一氏、副所長兼事務局長の長田七美氏より、荒川区民総幸福度(GAH)策定および内容に関するお話をうかがいました。
第一回視察 10月13日~18日
トルコ(イスタンブール、イズミール)
イスタンブールでは、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の世界大会に参加しました。イズミール地方では、エーゲ大学でのフォーラム共催のほか、13の家族が共同経営する5000ヘクタールの敷地で有機栽培や堆肥づくり、畜産などを行っている農業法人を訪問しました。
第一回視察 トルコ(イスタンブール、イズミール)の詳細はこちら
第二回視察 10月28日~30日
島根県吉賀町(旧柿木村)邑南町
長年、有機農業による地域づくりをすすめてきた吉賀町(旧柿木村)では、その中心的役割を担う元柿木村役場職員で「特定非営利活動法人 ゆうきびと」の会長を務める福原圧史さん、名古屋出身の移住者で「よしか暮らし相談員」の石黒智恵さん、吉賀町産業課の野村一恵さんにお話をうかがいました。
「消滅する市町村」が8割以上とされる島根県の中で、2013年に20人の人口増加となった「邑南町」では、「人を大切にするまちづくり」を一貫して行ってきた石橋良治町長と、邑南町にて若くして企業した「シックス・プロデュース有限会社」代表州濱 正明さん、町役場の定住支援コーディネーターの横洲竜さん、農家民宿を営む石橋由岐子さんにお話をうかがいました。
第三回視察 2月20日
山形県置賜地方
山形県の南部に位置する3市5町を一つの「自給圏」ととらえ、圏内にある豊富な地域資源を基礎に産業や雇用を生み出し、地域経済の好循環を生み出そうとする「置賜自給圏推進機構」と、同地域で志を同じくし、農産物の生産から販売までを行う「しらたかノラの会企業組合」を訪れました。
第四回視察 3月20日
福島県二本松市東和地区
第5回地域再生大賞の準大賞を受賞した「NPO法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」を訪ね、これまでの歩みやIターン者の生活についてインタビューをおこないました。
英国エレン・マッカーサー財団訪問 3月25日
今までの伝統的な「取って、作って、捨てる」という直線的な経済から、資源の有効活用・再利用を図る「クローズド・ループ」を推進しようと、欧州で進められている「サーキュラー・エコノミー」という考え方を学びました。
*第一回視察トルコ、第二回視察島根県吉賀町(旧柿木村)邑南町、第三回山形県置賜地方の報告については、ブックレット2014「持続可能な地域を訪ねて」でもご覧いただけます。
2.持続可能な地域づくりに関するフォーラム
第一回 地域の力フォーラム 開催 7月4日
今年度の年間計画についての話し合うとともに、「地域の力診断ツール」の内容・開発スケジュールについての話し合いをおこないました。
公開フォーラム 開催 9月6日
「農山村と都市の新しい結びつきを考える -3.11後から見える有機農業の値と地域の力―」
國學院大學共存学プロジェクトと共催。農業関係者、大学関係者、NPO/NGO関係者等約80名の方の参加を得て開催されました。
9/6開催 公開フォーラム「農山村と都市の新しい結びつきを考える -3.11後から見える有機農業の値と地域の力―」の報告はこちら
第二回 地域の力フォーラムおよび研究会開催 1月18日
国士舘大学准教授の宮地忠幸先生による「スコットランド・ハイランド地域におけるLEADERプログラムの受容―内発的農村発展戦略の論点―」と題するお話をもとに地域の力診断ツール作成へとつなげる議論を行いました。
地域の力フォーラムセミナー 開催 3月14日
甲南大学教授の真崎克彦先生をお招きし、「幸福の国ブータンの地域の力:その現状と課題」と題しお話をうかがいました。ブータン関係者、JICA関係者、ジャーナリスト、農業生産者、企業関係者などが活発な議論を展開しました。