コラム サステナブル経営と認証制度

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コラム サステナブル経営と認証制度

持続可能性(サステナビリティ)の基本的な考え方は、限りある地球の資源を使いすぎず、公正で一人一人が大切にされる社会を、未来へとつないでいくことになります。昨今注目を集めるSDGs (Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」と訳され、持続可能な社会を次世代に受け継いでいくことを目指した世界規模の目標です。企業活動においては、環境・経済・社会の3側面を統合した経営(サステナブル経営)に取り組むことが求められます。

CSOネットワークでは、国際的ガイドラインや認証制度を上手に取り入れることはサステナブル経営の推進や、企業イメージの向上につながるだけでなく、従業員の仕事や働く職場へのモチベーションの向上、内部のコミュニケーション力の強化などにも効果があると考えています。また、認証を取得するプロセスやコミュニケーションにより、企業の抱える課題の解決策が見えてくることも期待されます。それは、国際的ガイドラインや認証制度が、どのような視点からサステナビリティに取り組むかの指針となりうるためです。たとえば、企業の社会的責任(CSR)について国際標準化機構が策定したガイドラインであるISO26000もこれを推進するものの一つです。

ここでは、国際的ガイドラインや認証制度の例をCSOネットワークが大切にしているトピックごとに整理し、サステナブル経営を推進していただくうえでのヒントとしてご紹介します。

更新日:2021年3月

1. 組織のしなやかさ ーガバナンスー

有事にも柔軟に対応できる強靭かつしなやかな組織であることは、地球や社会の持続可能性に取組むにあたっての事業の持続可能性を考える上で重要です。
内部・外部双方に目を向け、リスク管理や経営理念の共有といった組織体質の強化を行う必要があります。
これらに関連する認証・ガイドラインには、以下のようなものが挙げられます。

  • 事業継続力強化計画【経済産業省】
  • ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)【国際標準化機構】
  • ISO9001(品質マネジメントシステム)【国際標準化機構】

各認証の詳細はページ下部▼

2. 従業員の働き方 ー人権・労働ー

少子高齢化社会が進行し労働人口が減少している今、あらゆる人が活躍できる組織作りが求められています。
また、事業の安定的継続には従業員の安全や健康も不可欠です。
女性の妊娠・出産・子育てといったライフイベントをサポートする、健康に配慮した取り組みを行うなど従業員の働き方は経営のカギと言えるでしょう。
これらに関連する認証・ガイドラインには以下のようなものが挙げられます。

  • 健康経営優良法人認定制度【経済産業省】
  • 安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)【厚生労働省】
  • なでしこ銘柄【経済産業省】
  • えるぼし認定【厚生労働省】
  • くるみん認定&プラチナくるみん認定【厚生労働省】
  • ISO45001(労働安全マネジメントシステム)【国際標準化機構】

各認証の詳細はページ下部▼

3. 地域とのつながり ー環境・雇用ー

バランスの取れた健やかな社会の在り方を考えたとき、地域活性化は持続可能性の重要な要素です。 地域経済を担う中小企業の役割は大きく、リーダーとして地域の人材雇用や環境に配慮する必要があります。
これらに関連する認証・ガイドラインには以下のようなものが挙げられます。

  • 新・ダイバーシティ経営企業100選【経済産業省】
  • ユースエール認定制度【厚生労働省】
  • 地域未来牽引企業【経済産業省】
  • エコ・ファースト制度【環境省】
  • ISO14001(環境マネジメントシステム)【国際標準化機構】

各認証の詳細はページ下部▼

 

 

参考:紹介した認証等の情報一覧
組織のしなやかさ ーガバナンスー
事業継続力強化計画【経済産業省】
概要 中小企業強靱化法に対応する形で、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度。
認定企業数 20,155社(2021年1月時点)
公式HP https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm
ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)【国際標準化機構】
概要 情報資産を適切に保護しその価値を高めることを目的とする規格。
公式HP https://www.iso.org/isoiec-27001-information-security.html(英語)
参考ページ https://www.jab.or.jp/iso/iso_iec_27001/(日本語)
ISO9001(品質マネジメントシステム)【国際標準化機構】
概要 社会や顧客が求める品質(製品・サービス)に包括的に応え、顧客満足度を高めることを目的とする世界共通規格。
公式HP https://www.iso.org/iso-9001-quality-management.html(英語)
参考ページ https://www.jab.or.jp/iso/iso_9001/(日本語)

 

 

 

従業員の働き方 ー人権・労働ー
健康経営優良法人認定制度【経済産業省】
概要 特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。優良な法人を「見える化」し、社会的に評価を受けることができる環境を整備するねらい。
認定企業数 中小規模法人部門:4,813社、 大規模法人部門:1,365社(2021年1月時点)
公式HP https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/
kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)【厚生労働省】
概要 労働安全衛生法に沿って労働者の安全や健康を確保する対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善している企業が取得できる。
認定企業数 36社(2021年1月時点)
公式HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075611.html
なでしこ銘柄【経済産業省】
概要 「女性活躍推進」に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取組を加速化していく。
選定企業数 なでしこ銘柄:46社、準なでしこ:19社(2019年度実績・毎年選出)
公式HP https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html
えるぼし認定【厚生労働省】
概要 女性活躍推進法に基づき行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業については、厚生労働大臣の認定を受けることができる。
認定企業数 1,137社(2020年9月末時点・プラチナえるぼし含む)
公式HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
くるみん認定&プラチナくるみん認定【厚生労働省】
概要 次世代育成支援対策推進法に関連する認定基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができる。
認定企業数 3,493社(2020年12月末時点)
公式HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/
shokuba_kosodate/kurumin/index.html
ISO45001(労働衛生マネジメントシステム)【国際標準化機構】
概要 組織において労働安全衛生活動を促進し、安全で健康的な職場をつくることを目的とする規格。
公式HP https://www.iso.org/iso-45001-occupational-health-and-safety.html(英語)
参考ページ https://www.jab.or.jp/iso/iso_45001/(日本語)

 

 

 

地域とのつながり ー環境・雇用ー
新・ダイバーシティ経営企業100選【経済産業省】
概要 ダイバーシティ経営に取り組む企業のすそ野拡大を目的に、多様な人材の能力を活かし、価値創造につなげている企業を表彰する。
受賞企業数 268社(2012~2019年度累積)
公式HP https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/
ユースエール認定制度【厚生労働省】
概要 若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度。
認定企業数 790社(2021年1月時点)
公式HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100266.html
地域未来牽引企業【経済産業省】
概要 経済産業大臣により選定された、地域経済の中心的な担い手となりうる者を「地域未来牽引企業」とする取り組み。
選定企業数 1,060社(2020年度単独)、 4,743社(2017年度からの累計)
公式HP https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
エコ・ファースト制度【環境省】
概要 企業における環境保全に関する自主的な取組を促進。環境大臣の認定を受けた約束案の達成に取り組む。
参画企業数 50社(2021年1月時点)
公式HP https://www.env.go.jp/guide/info/eco-first/
ISO14001(環境マネジメントシステム)【国際標準化機構】
概要 企業が環境に対する責任を果たすための実践的ツールとして設けられている規格。
公式HP https://www.iso.org/iso-14001-environmental-management.html(英語)
参考ページ https://www.jab.or.jp/iso/iso_14001/(日本語)
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