CSOネットワーク 提言&コラム

続・CSONJな人たち Vol.1  小林 翔

投稿日:2022/02/02
カテゴリー: CSONJな人たち

皆さま、こんにちは。サステナビリティコミュニケーターの梁井です。

昨年6回にわたりお届けしたインタビューシリーズ「CSONJな人たち」に続き、さらにCSOネットワークを取り巻く人やCSONJな人たちから見たCSOネットワークをご紹介する新シリーズ「続・CSONJな人たち」の第1弾をお届けします。初回は、昨年8月から約半年にわたって、CSOネットワークでインターンとして大活躍してくれた小林翔さんに、インターンシップ期間を振り返ってのコラムを寄稿いただきました。どうぞご覧ください!

皆さん、こんにちは。CSOネットワークにて2021年8月から2022年1月の6か月に渡ってインターンをさせて頂きました小林翔です。CSOネットワークでは、公契約条例の現状と今後に関する調査・提言に主に携わさせて頂きましたが、こうした業務を体験する中で以下の3つの学びを得ました。

第一に、社会課題を解決に導くにあたって市民団体の存在が不可欠であることを実感しました。CSOネットワークのような市民団体は、自主的に特定のテーマについて調査を行い、社会課題を特定した上で、その解決に向けた提言等を社会に対して行います。つまり、行政、あるいは社会全体が見逃している課題を拾い上げ、その解決の必要性を発信することができます。これは、行政から依頼を受けて調査・提言を行うシンクタンク等ではできないことです。私は本インターンシップで関わらせて頂いた公契約条例の調査・提言業務を通じて、社会課題を拾い上げることができる市民団体の存在の必要性を改めて実感しました。

第二に、調査方針を定め、実施することの難しさを改めて感じました。私はこれまで、国際的な問題について議論を行う模擬国連活動やシンクタンクでのインターンシップ等を通じて調査・提言を行う経験をある程度積んできました。しかし、私が従事してきた活動では予め調査の具体的な方向性が定められていました。例えば、シンクタンクで調査活動を行った際には、大まかなテーマに加えてそのテーマのどの側面について調査をするかが定められていました。他方、CSOネットワークのような市民団体は、基本的に依頼に基づいてではなく、自主的に調査を実施するため、一から具体的な調査方針を決定する必要があります。私にはこのように一から方針を定めて調査を実施する経験が無く、インターンシップ当初は具体的な調査方針を定めることに苦労したため、調査方針を定めた上で実施することの難しさを改めて感じました。

第三に、社会課題の解決には様々なアクターによる解決が不可欠であることを実感しました。前述のように、市民団体には行政等に見逃されている社会課題を拾い上げ、その解決を社会に呼びかけるという意義がありますが、その役割には限界があります。CSOネットワークのような市民団体が、自らが特定した社会課題の解決まで行うことは困難だからです。特定した課題が解決されるには、市民団体により発信された内容を汲み取った上で、その解決を行政に要請する市民や、実際に解決策を講じる行政等の存在が不可欠です。今回私が担当させて頂いた公契約条例の調査・提言業務についても、発信した課題の解決は行政等に委ねる他なく、自分自身で解決できないことに対してもどかしさを感じました。このため、様々なアクターによる関与の重要性を改めて感じました。

以上のように、私は本インターンシップを通じて社会課題の解決における市民団体の存在の重要性等を実感しました。私は将来、企業活動と持続可能性、特に環境への配慮の両立に携わりたいと考えております。今後は、本インターンシップでの学びを踏まえ、具体的にどの側面から、あるいはどの立場から両立の実現に向けてアプローチしていくのかを見定めていきたいと思っております。6ヵ月間本当にお世話になりました。

インターン 小林 翔

 

事務局長 長谷川から小林さんへのメッセージ:

小林翔さん、半年間、私たちにたくさんの刺激を与えてくださりありがとうございました
近年、様々なアクターが社会課題に取り組むようになってきていますが、そんな中での市民社会組織の強みは、小林さんが言われるように、利害関係者や資金の出し手に忖度なく活動を進められることなのかもしれません。テーマや問いの立て方は、その分野の土地勘のようなものも必要ですし、どちらを向いているか、何を目指しているかを表すものでもあるのでなかなか難しかったですね。CSOネットワークとしては、取り残されがちな人たちの状況に光を当てたり、改善のための取り組みの現状を明らかにしたりすることで、公正な社会へのはしごを少しでも昇れるような、そんな調査や提言を目指したいなと思っています。これからも、CSONJファミリーとして末長くお付き合いいただければ嬉しいです。
小林さんの今後のご活躍を心より応援しています。

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