事務局長の長谷川です。2023年4月より獨協大学経済学部で、地域活性化をテーマとするゼミを担当しています。
8月初旬、ゼミの2年生3年生を連れて信濃大町を訪れました。信濃大町は、長野県の北西部、北アルプスの麓に位置する大町市の愛称で、山と森と湖に囲まれた自然豊かな山岳都市です。今回のゼミ合宿では、信濃大町が誇る観光資源・木崎湖を起点に関係人口の創出を考えることを目的に、地域の人たちとの交流の中で学び考える機会をいただきました。
2020年にSDGs未来都市に選定された信濃大町では、2022年から環境省の地域循環共生圏事業の助成及びサポートを得て、地域課題解決のためのプラットフォームづくりが進められています。木崎湖をアイコンとして「プラットフォーム on the lake」と名付けられたそのプラットフォームには、地域の課題に対する自由な対話の場と創発的な取組みの創出が期待されていて、そこには、いわゆる関係人口と呼ばれる、大町以外の人、特にこれからの社会を担う若者の参画や視点が必要と考えられています。
合宿のプログラムは、「プラットフォーム on the lake」を中心になって進めている荒山林業の荒山あゆみさんがコーディネートしてくださり、木崎湖畔を散策しながら周辺の取組みや現在の課題についてお話をお聞きしたり、自伐型林業を営む荒山林業さんの森を案内していただいたりと、豊かな自然と共存する地域の暮らしとそれに対する思いなどをうかがいました。また、木崎湖地域創生協議会の方からは、木崎湖畔への「道の駅」創設に向けた取組みをお聞きし、地域の多様なアクターの協働についても学ぶ機会をいただきました。加えて、市内山中にある「信州・大町山の子村」に保養キャンプに訪れている福島の子ども達と、湖水浴やキャンプファイアーなど共に遊び交流する機会もつくっていただき、湖や森でのアクティビティの楽しさを実感することができました。
2泊3日の合宿の最終日、学生達は、豊かな自然の中での学びを振り返り、関係人口創出に向けた若者目線のアイディアをまとめ、荒山さんはじめ信濃大町の皆さんにプレゼンを行いました。具体的には、SNSなどによる若者向けの発信の充実・拡大や、サウナや山ガールなど最近の若者のトレンドを踏まえたプログラムなど、すぐにでもチャレンジできそうな企画も出されました。今後は、学生達の中に灯ったこの地域のために何かやりたいという思いを大切に育てていきたいと感じました。
今回は、35人という大所帯での訪問だったため、無事合宿を終えることができてホッとしているというのが正直なところですが、できればまた希望する学生を連れて、今度は少しゆっくりと違う季節の信濃大町を訪れ、地元の方のお話をお聞きする中で離れていてもできることを考えていければと思っています。
*CSOネットワークの持続可能な地域づくりに関する活動については、こちらのページをご参照ください。