近年、市場を利用した社会課題の解決という観点から、「ソーシャル・イノベーション(社会変革)」が注目を浴びています。途上国における貧困削減や保健医療の改善、教育の普及といった諸課題に対しても、社会変革型のアプローチが期待されています。
米国には、この新たな社会課題解決モデルの支援をおこなっている財団や研究機関が数多く存在し、この分野の育成や研究において先駆的な役割を果たしています。一方日本では、政府や大学、NPOなどが、研究・支援に乗り出し始めたところです。フェアトレードやマイクロ・ファイナンスなどによる開発課題への革新的な取組みが、日本でも活発になされるためにはどのような環境整備が必要なのでしょうか。
本セミナーでは、スタンフォード大学ビジネススクール ソーシャル・イノベーション・センターのクリス・デイグルマイヤー氏を基調講演者にお招きし、社会課題解決におけるソーシャル・イノベーションの活用やその醸成方法について議論したいと思います。みなさまのご来場をお待ちしております。
【日時】
2012年 1月24日(火) 13:30 ~ 16:45 (13:00 開場)
【会場】
JICA地球ひろば 3階 講堂
〒150‐0012 東京都渋谷区広尾4-2-24
TEL: 03-3400-7717
東京メトロ日比谷線 広尾駅下車3番出口より 徒歩1分
地図: http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
※駐車場はありませんので車でのご来場はご遠慮ください。
【基調講演】
クリス・E・デイグルマイヤー 氏 スタンフォード大学 ビジネススクール
ソーシャル・イノベーション・センター エグゼクティブ・ディレクター
(Ms. Kriss E. Deiglmeier, Executive Director, Center for Social Innovation,
Stanford Graduate School of Business)
【事例報告&パネル・セッション】
イアン・ブレットマン 氏 国際フェアトレードラベル機構 副理事長
(Mr. Ian Bretman, Executive Vice-Chair, Fairtrade International (FLO))
服部 篤子 氏 CAC社会企業家研究ネットワーク代表、一般社団法人DSIA常任理事
功能 聡子 氏 ARUN代表
(日英逐次通訳つき)
【主催】 一般財団法人CSOネットワーク
【後援】 米国大使館
【お申込】
お名前、ご所属、ご連絡先を明記の上sus-seminar@csonj.org 宛Eメ-ルにて1月20日(金) までにお申し込みください。
【お問い合わせ】
一般財団法人CSOネットワーク (担当:黒田・長谷川) TEL: 03-3202-8188
E-mail: sus-seminar@csonj.org URL: http://www.csonj.org
【プログラム】
13:00 | 開場 |
13:30 | 開会 |
13:35 | 基調講演 「民間援助開発(PDA)におけるソーシャル・イノベーションの役割」 クリス・E・デイグルマイヤー 氏 スタンフォード大学ビジネススクール ソーシャル・イノベーション・センター、エグゼクティブ・ディレクター (Ms. Kriss E. Deiglmeier, Executive Director, Center for Social Innovation, Stanford Graduate School of Business) |
14:35 | 休憩 |
14:45 | 事例報告&パネル・セッション イアン・ブレットマン 氏 国際フェアトレードラベル機構 副理事長 (Mr. Ian Bretman, Executive Vice-Chair, Fairtrade International (FLO)) 服部 篤子 氏 CAC社会企業家研究ネットワーク代表・一般社団法人DSIA常任理事 功能 聡子 氏 ARUN代表 質疑応答、ディスカッション |
16:45 | 閉会 |
【ご登壇者プロフィール】
クリス・E・デイグルマイヤー 氏 (Ms. Kriss E. Deiglmeier)
スタンフォード大学 ビジネススクール ソーシャル・イノベーション・センター エグゼクティブ・ディレクター
(Executive Director, Center for Social Innovation, Stanford Graduate School of Business)
クリス・デイグルマイヤー氏は、スタンフォード大学ビジネススクール ソーシャル・イノベーション・センター (CSI) の創設者の一人であり、現在は同センターのエグゼクティブ・ディレクターを務める、ソーシャル・イノベーション分野におけるグローバル・リーダーの一人である。CSIは、21世紀のグローバルな社会的課題を解決するための人材・組織・アイディアを集結させるべく、NPOやビジネス界あるいは政府などに働きかけをおこなうことを特徴とする。
同氏は、社会的企業・ビジネス・NPO・フィランソロピーなどの分野で20年以上、上級管理職として働いた経験をもつ。CSI以前は、財団や社会的企業の経営コンサルタントや、ジュマ・ベンチャーズのチーフ・オペレーティング・オフィサーなども務めた。
同氏は、ソーシャル・イノベーション分野の草分けとして、国内・国外問わず数多くの講演をおこなっており、日本でもこれまで、一橋大学、京都大学、九州大学、名古屋大学等で登壇した経験をもつ。最新の研究業績としてはStanford Social Innovation Reviewに掲載された“Rediscovering Social Innovation”。ワシントン大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校にてMBA取得。
イアン・ブレットマン 氏 (Mr. Ian Bretman)
国際フェアトレードラベル機構 副理事長
(Executive Vice-Chair, Fairtrade International (FLO))
企業および市民セクターの双方において40年以上、様々な業界での勤務を経験。1985年オックスファム(国際NGO)の貿易部門に着任し、マーケティングチームを牽引。その後、イギリスのフェアトレード認証ラベル推進組織であるフェアトレード・ファンデーションで10年間、事務局長代理を務める。大手流通を巻き込んだフェアトレードバナナ市場の開拓や切り花など新たな産品分野でのフェアトレード認証製品市場の確立に大きく貢献。2006年5月Fairtrade International (FLO – 国際フェアトレードラベル機構)理事に就任、2008年より副理事長としてFLOのグローバル戦略立案やガバナンス強化を指揮してきたほか、ステークホルダーとの関係強化にも携わる。Soil Association(イギリスの有機認証機関)の基準策定委員会メンバー。
服部 篤子 (はっとり あつこ) 氏
CAC – 社会企業家研究ネットワーク代表
一般社団法人DSIA常任理事
奈良県出身。広告会社勤務を経て、大阪大学大学院国際公共政策研究科修士課程修了。企業フィランソロピーの研究を行う。国際科学振興財団専任研究員、総研大スコープ・プロジェクト研究員などを経て、2001年、CACを設立。社会起業家の普及を図るために、人材育成事業、社会イノベーションの実践と研究、社会価値評価等に取り組んでいる。
また、立教大学大学院、明治大学、明治学院大学、法政大学で兼任講師として教鞭をとる(専門は、社会起業論、非営利組織論)ほか、(株)公共経営社会戦略研究所特任研究員、国際大学GLOCOM客員研究員を兼務。
主な著書に、『未来をひらく企業内イノベータ―たち』(服部編著、近代セールス社、2012年1月予定)、『ソーシャル・イノベーション:営利と非営利を超えて』(服部・武藤・渋澤編著、日本経済評論社、2010年)、『智場114#イノベーション行動科学』(共著、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、2009年)、『ボランティア革命』(共著、本間・出口編、東洋経済新報社、1995年)等。
功能 聡子 (こうの さとこ) 氏
ARUN代表
国際基督教大学卒。ロンドン政治経済大学院(LSE)社会政策学部修士課程修了。民間企業、アジア学院勤務の後、1995年より10年間カンボジアに在住、NGO,JICA,世界銀行等の業務を通して、カンボジアの復興・開発支援に携わる。2009年日本発の途上国向け社会的投資の仕組みを作るため、ARUN合同会社設立。カンボジアの社会的企業への投資を実施すると共に、社団法人ARUN LAB代表理事として社会的投資の調査研究、普及啓発に従事。
一般財団法人CSOネットワーク
グローバルに展開する持続的な社会づくりの担い手を、セクターや国境を越えてつなぎ、人々の参加を促すことで、一人一人の尊厳が保障される公正な社会の実現に寄与することを目的に2004年より活動を続けている。主な活動として、市民社会組織 (CSO) や持続可能な開発・発展に関する調査研究、情報発信・出版、多様なステークホルダー間の連携促進、国内・海外のCSOとの連携などを行う。