グローバル市民社会ニュース 第16号

11.25


選出の透明性に期待 国際刑事裁判所 検察官候補者リストを公開 (2011.10.2)


国際刑事裁判所(ICC)は、来月(2011年12月)選出予定の新しい検察官の候補者リストと略歴、およびその選出過程を初めて公開した。新しい検察官の任期は2012年7月より9年間で、今回の候補者リストは4名から成っている。

「ICCの検事の選出過程が透明であり最適な人物が選ばれることは、ICCを必要とするすべての人に自信を与えるだろう。」とアムネスティ・インターナショナルは述べている。ICCの調査案件の決定に対して検事は大きな役割を果たすとされ、新しい検事による国際正義の追求が、市民社会や何百万という人権侵害の被害者達により期待されている。

新しい検事は締約国会議の過半数の支持を必要としているが、コンセンサスの形成はしばしば政治的な駆け引きを生み選出の不透明化を招きかねない。アムネスティ・インターナショナルは、同時期の他の国際的な選挙との票の交換などによって、この選挙の公平性や透明性が損なわれないよう警告している。

出典:Amnesty International
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/international-criminal-court-ensure-best-candidate-elected-new-prosecutor-2011-10-2

NGO、エジプト政変後の厳しい現実 新政権による弾圧と市民からの疑念 (2011.10.27)


ムバラク政権崩壊後、エジプトのNGOは、軍事政権による前例のない弾圧に直面している。NGOに対して軍政権は誹謗中傷キャンペーンを展開し、エジプトの人々のNGOを見る目は変わってきてしまっている。

ムバラク退陣後初めての議会選挙が11月28日に予定されているが、軍の最高評議会(Scaf)率いる暫定政権は、NGOが国を乱すために海外ドナーから莫大な支援を受けたとする誹謗中傷キャンペーンを展開している。地元NGOは、このキャンペーンを一般市民とNGOの間に溝をつくろうとするものと批判、また、欧州地中海ヒューマンライツネットワークも、キャンペーンを軍政府による嫌がらせと非難し、すぐやめるよう求めている。しかし、エジプトの人々はNGOと見ればどこから寄付を受けたかを聞きたがるようになっており、本来の活動内容について尋ねることはなくなってきたという。

エジプトでは約3万のNGOが、主に政治教育、人権、開発の分野で活動している。

出典:The guardian
http://www.guardian.co.uk/global-development/2011/oct/27/egypt-ngos-clampdown-military-rulers?newsfeed=true

市民との連携を再生の道に CIVICUSレポート市民社会組織に警告 (2011.9.2)


CIVICUS: World Alliance for Citizen Participation は、Bridging the Gaps: Citizens, organisations and dissociation というレポートを発表し、そのなかで、アラブの春に代表されるような市民運動が、市民社会組織(CSO)への新たな挑戦をつきつけていると結論づけている。

レポートは、「現在、市民社会は大きな変化と危機の中にあり、多くのCSOは経済的・政治的困難に直面していると同時に、新たな市民運動と連携できていない」と指摘している。CSOは、自らの活動範囲を拡げ、これまでつながりのなかった市民と連携すべきで,それができなければ、やがて正統性を失ってしまうだろう、との危機意識をあらわしている。

レポートは、2008年から2011年の3年間におよぶ世界35カ国を対象とした市民社会インデックス調査に基づいたもので、CSOと政府との緊張関係や、CSOにおける財政難や人材不足、およびCSOに対する市民の支持の低さ等、CSOが直面している様々な困難を紹介している。また、この間、世界の多くの国で、活発な市民運動が繰り広げられ、その動きはCSOの活動を凌駕していると述べている。

出典:CIVICUS, Media Center, Press Releases
http://www.civicus.org/media-centre/press-releases/592-reinvent-or-face-irrelevance-civicus-report-warns-civil-society-organisation

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