【2013年8月22日　ヨハネスブルグ（南アフリカ共和国）発】潘基文国連事務総長によるポストMDGs開発アジェンダについての報告書「尊厳ある人生をすべての人に（A life of dignity for all: accelerating progress towards the Millennium Development Goals and advancing the United Nations development agenda beyond 2015）」が発表されたことを受けて、CIVICUSは「この内容を歓迎する」との声明を発表した。

報告書の内容が確固たる人権ベースのアプローチにもとづいていること、CIVICUSを含む多くの市民社会が要望している開発を行う上での障害（民主主義の形骸化、政治的・社会的な排除、拡大する格差）への対応に応える形になっていることなどが、CIVICUSが本報告書を歓迎する理由だという。

CIVICS事務局長のダニー・スリスカンダラヤ（Danny Sriskandarajah）氏は、この報告書に対して次のようなコメントを寄せた。

「現行MDGsの主な未達成事項は、民主的な自由に支えられたグッド・ガバナンスの軽視に起因する。この報告書は人権擁護の必要性を強調し、（世界人権宣言に掲げられている）恐怖と欠乏の自由は切り離すことができないという正論を述べている」。

「市民社会を開発における重要なパートナーと認識していることを歓迎する。一方で、独裁的な政権によって、ましてや民主主義を掲げる政府によってさえも、抑圧的な法律や施策により市民社会（の活動制限）に対する脅威が増している現実が存在する。これを考慮すると、（本報告書の内で）市民社会が活動しやすい環境構築の必要性を強調する必要性があったのではないだろうか」。

また、CIVICUS国連代表部のジェフリー・ハファインス（Jeffery Huffines）氏は次のように述べた。

「2012年のCIVICUS世界大会で採択されたモントリオール宣言にもとづいて、この報告書がポストMDGs開発アジェンダとリオ＋20（国連持続可能な開発会議）の主要な成果をリンクさせることの重要性を支持したことを歓迎したい」。

「この報告書は、ポスト2015年開発目標の中心に人権を置くという論調を規定した。これを受けて、2013年の国連総会に集う加盟国には、この具体的な中身を決定するという責任が委ねられる。世界各国の首脳たちが、『わたしたちが望む世界』の実現を目指し、市民社会を対等なパートナーとして共に行動をとることを期待している」。

出典：CIVICUS
原題：CIVICUS welcomes UN Secretary General’s Post-2015 report
URL：https://civicus.org/media-centre-129/press-releases/1826-civicus-welcomes-un-secretary-general-s-post-2015-report