【2013年6月7日 ヨハネスブルグ（南アフリカ共和国）発】ポスト2015年開発アジェンダ策定のためのハイレベルパネル（以下、ハイレベルパネル）が2013年5月31日に発表した報告書「新たなグローバルパートナーシップ：持続可能な開発を通じた貧困解消と経済の転換」（A New Global Partnership: Eradicate Poverty and Transform Economies through Sustainable Development）に対して、多くの市民社会から反応が寄せられている。
●アムネスティ・インターナショナル
新たな開発アジェンダにおいて、政治プロセスへの参加権などに限ることなく全般的に人権要素を強化しなければならない。とくに、報告書において経済・社会権が人権ではなく基本的な「ニーズ」としてしか認識されていないことを懸念する。
▼Human rights must play stronger role in post-2015 development agendaはこちら（英文）
http://www.amnesty.org/en/news/human-rights-must-play-stronger-role-post-2015-development-agenda-2013-06-05
●第19条（Article 19）
私たちは、表現の自由や情報へのアクセスを持続可能な開発の最重要要素としてハイレベルパネルに訴えてきた。ポスト2015年開発アジェンダに関するハイレベルパネルのレポートが5つの大きな変革として掲げた要素を歓迎し、なかでも、効果的かつ開かれた機関の構築、平和とよい統治（グッドガバナンス）を付帯的なものとしてではなく、あるべき社会の最重要要素として認識していることを評価する。
▼ARTICLE 19 welcomes UN Report emphasising free expression in development（英文）
http://www.article19.org/resources.php/resource/3776/en/article-19-welcomes-un-report-emphasising-free-expression-in-development
●人々の目標のためのキャンペーン（People’s Goals Campaign）
レポートは極度の貧困削減と持続可能な開発の推進を目指している。しかし、格差や不公正、環境破壊を招いている現行の経済システムに挑む意義深い提言や目標を提起するには至らなかった。
▼High Level Panel report fails to address wealth and power inequalities say civil society（英文）
http://peoplesgoals.org/high-level-panel-report-fails-to-address-wealth-and-power-inequalities-say-civil-society/
●ソーシャル・ウォッチ（Social Watch）
ハイレベルパネルからの提案に深く失望している。ハイレベルパネルの提案は、人々ではなく、巨大ビジネスを開発の中心に据えるというものだ。
▼HIGH LEVEL PANEL PROPOSES TO THE UN TO PUT MEGA BUSINESS, NOT PEOPLE, AT THE CENTER OF DEVELOPMENT（英文）
http://socialwatch.org/node/16010
●カソリック援助機関（CAFOD）
ハイレベルパネルからのポスト2015年開発アジェンダに対する提案を歓迎する。信頼できる方向への前進と、MDGsには欠けているいくつかの重要な課題への取り組みがみられるためだ。
▼CAFOD response to launch of UN High Level Panel report（英文）
http://www.cafod.org.uk/News/International-News/UN-post-MDGs-report
出典：e-CIVICUS 631
URL：http://www.civicus.org/content/e-CIVICUS631.html
