【2015年7月6日　ニューヨーク（米国）発】潘基文国連事務総長は、2015年7月6日 、「ミレニアム開発目標報告書（The Millennium Development Goals Report）2015」を発表した。これは2000年に合意がなされ、2015年までに貧困を半減することなどを約束したMDGsを最終的に評価するものだ。

報告書によると、1日あたり1.25ドル以下で暮らす極度の貧困人口は基準年（1990年）の19億2600万人から8億3600万人へと減り「極度の貧困を半減する」という目標は達成された。基準年（2000年）の83%から91%へと向上た初等教育における就学率や、安全な飲水の確保など、過去15年間で大きな改善が見られた。21億人の衛生環境が改善し、途上国のスラム街で暮らす人口の割合も減少した。

一方で、5歳未満の子どもや妊産婦の死亡率の削減は改善したももの目標の水準に遠く及ばず、女性の地位向上は限定的で依然として大きなジェンダー間の格差が残された。また、二酸化炭素の排出量が基準年（1990年）から50%以上も増加したことによる気候変動が開発を妨げているとの指摘もなされた。

潘事務総長は「極度の貧困をあと一世代でこの世からなくせるところまで来た」とMDGsの成果を強調しつつ、「MDGsは歴史上最も成功した貧困撲滅運動になった。これからの持続可能な開発目標（Sustainable Development Goals＝SDGs）への踏み切り台になるだろう」と2016年以降への期待を表明した。

MDGsに続く新たな目標は各国政府参加の元で最終的な検討が続いており、9月にニューヨークで開催される「持続可能な開発に関するサミット」で採択される予定だ。

▼日本語概要のダウンロードはこちら
http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15009/

▼The Millennium Development Goals Report 2015のダウンロードはこちら（英語）
http://www.un.org/millenniumgoals/2015_MDG_Report/pdf/MDG%202015%20rev%20(July%201).pdf

出典：国際連合広報センター
原題：ミレニアム開発目標（MDGs）に関する最終報告、7月6日に発表 ～ MDGsの成功は、今後の持続可能な開発目標へのバネ ～
URL：http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15017/

出典：http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H18_X00C15A7EAF000/
原題：世界の貧困人口、90年比で半分以下達成　国連目標で最終報告
URL：日本経済新聞