ポストMDGs「宣言文」はどうあるべきか 第2回政府間交渉が終了

03.20


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【2015年2月20日 ニューヨーク(米国)発】2015年2月17日〜20日、ニューヨークの国連本部にて「宣言文」に関する政府間交渉が開催された。

会合に先立って、共同議長が1月の交渉を元に作成された文書を加盟国らに提示。これに対するコメントや提案などを受けて、交渉2日目の夜には共同議長による審議文書が公表され、これに基づいて交渉が継続された。

交渉では、共同議長による文書や審議文書に対して「これまでに広く議論されていない概念を持ち出すべきではない」とG77+中国がその一部内容を牽制。また、「共通の責任(Shared responsibility)」という概念に対しては、地球規模課題を引き起こしていない途上国が先進国と共通の責任を負うことへの疑問から、「共通だが差異ある責任(Common but differentiated responsibilities)」にすべきとの声が途上国側から出された。

「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」は、これを宣言文のタイトルに据えるべきという意見などで、理念レベルでの共通の理解が得られているように見られた。一方で、この具体像については見解に差異が見られるようで、中所得国らは最貧困国重視の結果として自らへの政府開発援助(ODA)が減少することに対する懸念を表明。また、ブラジルからは「貧困層を中間層の間に横たわる格差だけではなく、富裕層とそれ以外の格差に取り組むことが真の社会的転換だ」との発言がなされた。

「貧困削減」と「持続可能な開発」の相互依存性についても議論がなされた。スウェーデンらが「両者は相互に依存する」と主張している一方で、多くの加盟国は「持続可能な開発はポスト2015年開発アジェンダが目的とする貧困削減のための戦略である」という立場を取っており、この異なる見解の調整が今後求められる。

本議論を参考に作成される草案(ゼロ・ドラフト)は、2015年5月20日頃に共同議長から発表される見込みだ。

Photo by IISD/ENB

出典:International Institute for Sustainable Development (IISD)
原題:SUMMARY OF THE SECOND SESSION OF INTERGOVERNMENTAL NEGOTIATIONS ON THE POST-2015 DEVELOPMENT AGENDA
URL:http://www.iisd.ca/vol32/enb3215e.html

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