【2012年9月24日 ニューヨーク(米国)発】2012年9月24日、第67回国連総会のサイドイベントとして「ポスト2015年開発目標に関するハイレベルパネル(以下、ハイレベルパネル)」メンバーと市民社会の対話集会が開催された。間もなく始まる各国およびテーマ別の対話集会に先駆けて行われたもので、多くの市民社会関係者が会場に集い、活発な意見交換がなされた。
ハイレベルパネルからは、10人のメンバー(※1)がこの対話集会に参加。「MDGsを達成してこそ、ポストMDGsアジェンダの正統性が担保される」「開かれた、透明性のある策定プロセスに期待している」(アミーナ・モハメッド ポスト2015年開発計画事務総長特別顧問)、「市民社会は開発における中心的な存在だ。市民社会との協力なしには、真の変化は生み出せない」(ラニア・ヨルダン王妃)などの発言があった。
市民社会からは、Beyond 2015のバーナデット・フィッシャー(Bernadette Fischler)氏が9月に開催されたCIVICUS総会で採択された「モントリオール宣言」を紹介するとともに、ハイレベルパネルの役割に人権への言及がないことへの不満を表明した。また、Safeworld / African CSO Coalition on Principles & Partnershipsのポール・オクム(Paul Okumu)氏は、「人が世界を変える機会を手にすることができるのはめったにないことだ。この機会を逃さないでほしい」と強く訴えた。これらに加えて、市民社会からの参加者からは、ポストMDGs開発アジェンダへの若者の関わり、権利ベースアプローチの重要性、政治的意思の動員、国際金融システムをハイレベルパネルの議題に含むことの必要性、女性の権利やエンパワーメントなどについての提起がなされた。
一連の発言を受けて、国連側は「広く市民に開かれたプロセスや人権、説明責任の重要性に合意する」「MDGsとリオ+20で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)は相互に関連する」などとコメントした。
今後は各国およびテーマ別の対話集会が順次行われるほか、WEBプラットフォーム www.worldwewant2015.org での国際的な議論が予定されている。
なお、この対話集会は、CIVICUS、Global Call to Action against Poverty(GCAP)、Beyond 2015、ステークホルダー・フォーラムなどの市民社会組織(CSO)が企画を牽引し、国連ミレニアム・キャンペーンなど複数の国連関係機関の協力によって開催された。
▼当日の動画はこちら
http://www.ustream.tv/recorded/25683784
※1 対話集会に出席したハイレベルパネルメンバー一覧(順不同)
・アミーナ・モハメッド ポスト2015年開発計画事務総長特別顧問
・ラニア・ヨルダン王妃
・カルマン女史(イエメン、人権活動家、ジャーナリスト、政治家、2011 年ノーベル平和賞受賞)
・ポデスタ米国進歩センター所長
・カールソン・スウェーデン国際開発協力担当大臣
・アムスガ・ベナン大統領府経済分析部長
・コルレア・ブラジル応用経済研究所総裁
・セヴェリノ・フランス開発庁前総裁
・メイナ・ケニア製造業者協会会長
・ピレス東ティモール財務大臣
出典:United Nations Millennium Campaign
原題:UN HIGH-LEVEL PANEL ON POST-2015 DEVELOPMENT AGENDA DIALOGUES WITH CIVIL SOCIETY
URL:http://www.endpoverty2015.org/en/2012/10/06/un-high-level-panel-on-post-2015-development-agenda-dialogues-with-civil-society/