【2014年6月27日 ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)発】CIVICUSのドロシー・ジェネルー氏はウェブサイトSustainable Development 2015に、「ポスト2015年開発アジェンダ―今なぜ、各国でのアドボカシーが重要なのか(Post-2015 Development agenda – Why is national advocacy important now?)」と題する次のような記事を寄稿した。
MDGsが開発において果たしている役割は大きい。MDGsに含まれない課題が置き去りにされがちだという批判はあるものの、MDGsは各国政府あるいは国際的な援助ドナーが取り組むべき開発の課題に優先順位をつけ、資金を含む開発の計画を立案する際の共通の指針となってきた。次の開発アジェンダにも、同様の役割が期待される。
MDGs/ポストMDGsに沿った開発の実施は、各国の政府に一義的な責任がある。したがって、各国の市民社会は、自国の政府に対して、現在進められている開発政策とポストMDGsを巡る国際交渉における発言に責任を課す必要がある。
ずいぶん長い間議論が続いているように感じる。しかし実は、国際交渉が始まるのはこれからだ。2014年9月の第69回国連総会から始まり、2015年9月に予定されているポストMDGsハイレベルサミットで合意されることになっている。先日、ある会合で南アフリカ政府の代表者は「国連加盟国間による真の交渉はまだ始まっていない」と漏らした。
(長期化する議論に)疲れを感じている人もいるだろう。しかし、市民社会は引き続き活発に、特に各国でのアドボカシーを今まで以上に積極的に行っていく必要がある。
その理由はたった1つ。もし声をあげたのが規模の大きな国際NGOだけにとどまったら、多くの政府は、これらを国際的なドナーによる取るに足らないものとして退けてしまうだろう。私たちはここ数年間、このような光景をずっと見てきている。各国政府に対する国内のアドボカシーこそが鍵を握っているのだ。
残り14ヵ月。市民社会はポストMDGsへの貢献を、中でも各国政府へのアドボカシー活動に力を入れていく必要がある。
なお、同氏は記事の中で去る5月に公開された2015年開発アジェンダに対するアドボカシー活動を行う市民社会を対象としたツールキット「アドボカシー・ツールキット ポスト2015年開発アジェンダへの意見表明(Advocacy Toolkit: Influencing The Post-2015 Development Agenda)」を各国でのアドボカシー活動に活用して欲しいと呼びかけている。
出典:Sustainable Development 2015
原題:Post-2015 Development agenda - Why is national advocacy important now?
URL:http://www.sustainabledevelopment2015.org/